区が出しているのは、食費ではなく見守りです
東京8区を1件ずつ確認しました。食費が安くなるのは2区だけです。
区が食費を下げているか(2026年10月2日確認)
| 区 | 1食の自己負担 | 区が食費を下げているか |
|---|---|---|
| 江戸川区 | 一般食500円/特別食600〜740円 | ○ 区が金額を決めている |
| 足立区 | 定価の300円引き | ○ 値引き分を区が支援 |
| 大田区 | 400〜700円(ボランティアにより異なる) | △ 地域のボランティアが担う |
| 板橋区 | 全額自己負担(事業者ごと) | ✗ |
| 江東区 | 各業者が定める金額 | ✗ |
| 練馬区 | 弁当代は利用者の実費負担 | ✗ |
| 世田谷区 | — | ✗ 令和2年3月31日で高齢者向けを終了 |
| 杉並区 | — | 高齢者向けの配食として公表を確認できず |
出典:各区の公表内容(2026年10月2日確認)。年度ごとに変わります。
★板橋区・江東区・練馬区は、はっきり「全額自己負担」です。区がやっているのは事業者を登録して、手渡しで届けさせて、安否確認をさせること。食費は自分で払います。
★この制度の正体は「安い弁当」ではなく「毎日、人が玄関に来る仕組み」です。そこが要るかどうかで、使うか使わないかが決まります。
★どの区も3食は埋まりません。江東区の上限は1日1食、足立区は昼か夜のどちらか1食。残りは自分たちで何とかする前提です。そして配食の食材費・調理費は介護保険の給付対象ではありません。「介護保険で配食」は正確な言い方ではありません。
東京8区の配食サービス(2026年10月2日確認)
| 区 | 名称 | 1食の自己負担 | 安否確認 | 区が食費を下げているか |
|---|---|---|---|---|
| 江戸川区 | 配食サービス | 一般食500円/特別食600〜740円 | 有(手渡し) | ○ 区が金額を決めている |
| 足立区 | 元気サポート弁当 | 定価の300円引き | 有(声かけ) | ○ 値引き分を区が支援 |
| 大田区 | 地域のボランティアの食事サービス | 400〜700円(ボランティアにより異なる) | 記載なし | △ ボランティアが担う |
| 板橋区 | 高齢者等配食サービス事業(事業者登録制) | 全額自己負担(事業者ごと) | 有(手渡し) | ✗ |
| 江東区 | 高齢者食事サービス | 各業者が定める金額 | 有 | ✗ |
| 練馬区 | 見守り配食事業 | 弁当代は利用者の実費負担 | 有(異常時は緊急連絡先へ) | ✗ |
| 世田谷区 | (高齢者向けは終了) | — | — | ✗ 令和2年3月31日で終了 |
| 杉並区 | 高齢者向けの配食として公表を確認できず | — | — | — |
出典:各区の公表内容(2026年10月2日確認)。世田谷区は終了後、区内の民間配食サービス事業者の一覧を窓口で配布しています。名称・対象・費用・実施の有無は市区町村ごとに異なり、年度ごとに変わります。必ずお住まいの区の最新の公表内容をご確認ください。
★区が食費を下げているのは江戸川区と足立区だけです。江戸川区は一般食を1食500円と決めていて、特別食(治療食)は600〜740円。足立区は「定価の300円引き」という形で、1日につき昼・夜のうち1食が対象です。
★板橋区は「全額自己負担になります。費用は配食事業者ごとに異なります」と書いています。そのかわり登録事業者が手渡しで届け、異常があれば緊急連絡先・区・警察・消防署へ連絡するとしています。お金ではなく、連絡の経路を整えるのが区の役割です。
対象になるのは誰か
8区が公表している対象(2026年10月2日確認)
| 区 | 条件 |
|---|---|
| 江戸川区 | 65歳以上。ひとり暮らし/65歳以上のみの世帯/65歳以上と食事作りが困難な障害者のみの世帯/日中独居 |
| 足立区 | 65歳以上。ひとり暮らしまたは高齢者のみの世帯/同居する64歳以下が就労等で日中・夜間独居になる方。かつ身体機能の低下・けが・障害・認知症等で食事の準備が困難、または退院後で特別食が必要だが準備が困難 |
| 江東区 | 区内在住の65歳以上で、疾病等により調理や買物が困難。同居者がいる場合は、同居者も疾病または就労により調理や買物が困難であること |
| 大田区 | 区内に住所があり、おおむね65歳以上の高齢者または心身に何らかの障がいのある方で、本人または同居の親族等が病弱または心身の支障により安定した食生活ができない方 |
| 板橋区 | 板橋区内に在住の65歳以上 |
| 練馬区 | 公表ページに対象の記載なし(パンフレットに記載) |
| 世田谷区 | 高齢者向けは終了。残っているのは65歳未満で身体障害者手帳1〜4級・愛の手帳1〜4度・難病・寛解状態の精神障害の方(1食500円) |
出典:各区の公表内容(2026年10月2日確認)。
★条件が一番ゆるいのは板橋区です。「区内在住の65歳以上」だけ。ひとり暮らしでなくても、病気でなくても使えます。ただし全額自己負担です。
★条件が一番厳しいのは江東区と足立区です。江東区は「同居者も調理や買物が困難であること」を求めています。同居家族が元気なら対象外です。足立区は世帯の条件に加えて、本人の身体・認知の状態まで条件にしています。
週に何食まで使えるか
公表されている回数の条件
| 区 | 回数 |
|---|---|
| 江戸川区 | 一般食は週3食以上(下限がある)/特別食は週1食以上から |
| 足立区 | 1日につき昼・夜のうちいずれか1食 |
| 江東区 | 週7食(1日1食)を上限 |
| 大田区 | ボランティアにより異なる |
出典:各区の公表内容(2026年10月2日確認)。
★江戸川区だけ「下限」があります。一般食は週3食以上使うことが条件です。「週1回だけ試す」ができません。見守りを兼ねた制度なので、頻度が落ちると見守りにならないためと読めます。
★どの区も、3食すべては埋まりません。江東区で上限が1日1食、足立区は昼か夜のどちらか1食。残りの2食は、自分たちで何とかする前提です。
江戸川区で一般食を週3食、1か月使ったとき
- 1食500円 × 週3食1,500円/週
- 4週ぶん6,000円/月
- 毎日1食(週7食)にすると500円 × 7 × 4 = 14,000円/月
区の制度でも、1か月で1万円を超えます。「自治体だから安い」ではありません。残りの食事は別にかかります。
3つを分ける
配食にまつわる3つのもの
| 自治体の配食サービス | 民間の宅配食 | 訪問介護(調理) | |
|---|---|---|---|
| 何をするか | 調理済みの食事を届け、安否を確認する | 冷凍・冷蔵の食事を宅配便などで届ける | 自宅で調理を行う |
| 制度 | 市区町村の高齢者福祉サービス | 一般の商品・サービス | 介護保険の生活援助 |
| 費用 | 自己負担あり。自治体が一部を負担することが多い | 全額自己負担 | 介護保険の自己負担割合 |
| 対象 | 要件に当てはまる人のみ | 誰でも | 要介護認定と、生活援助が必要と認められること |
| 安否確認 | 含まれることが多い | 基本的にない(置き配のことが多い) | 訪問そのものが確認になる |
| 回数・頻度 | 週◯回など上限があることが多い | 自由 | ケアプランによる |
「介護保険で配食」という表現は正確ではありません。食材費・調理費は給付の対象外です。
いちばん大きな違いは「安否確認が含まれるかどうか」です。離れて暮らす家族にとって、これは食事以上に意味があることがあります。
自治体の配食サービス
多くの市区町村が、調理が困難な高齢者などを対象に配食を行っています。ただし、やめた区があります。
3自治体の公表内容(2026年9月23日確認)
| 自治体 | いまの状態 | 対象と金額 | 窓口 |
|---|---|---|---|
| 世田谷区(高齢者向け) | 令和2年3月31日で終了 | 終了前は「65歳以上のひとりぐらし、または高齢者のみの世帯の方」で、調理や買い物が困難で近くに食事を作ってくれる親族がいない方 | 終了後は「区内の民間配食サービス事業者の一覧を窓口で配布」。各地域の保健福祉センター保健福祉課 |
| 世田谷区(障害のある方向け) | 実施中 | 1食500円。ひとりぐらしなどのため食事を作ることが難しい65歳未満で、身体障害者手帳1〜4級、愛の手帳1〜4度、難病、寛解状態の精神障害の方 | 各総合支所 保健福祉課 |
| 名古屋市 | 実施中(ふれあい給食サービス) | 在宅の高齢者又は障害者 | お住まいの区の社会福祉協議会(区役所ではありません) |
出典:世田谷区「配食サービス」「配食サービス(令和3年3月31日終了)」、名古屋市「ひとり暮らしの高齢者などの支援」(いずれも2026年9月23日確認)。窓口が区役所ではなく社会福祉協議会の市もあります。区役所に電話して「うちではない」と言われることがあるのはこのためです。
区のサイトに配食のページが残っていても、終了のお知らせに切り替わっているだけのことがあります。 ページの日付と、「終了」「廃止」の文字を先に探してください。
そして終了している区は、民間事業者の一覧を窓口で配っています。 「自治体のがないなら諦める」ではなく、その一覧をもらってから民間を比べるのが、いちばん早い順序です。
窓口で確認すること
- 制度の有無と名称:「配食サービス」「食の自立支援事業」など呼び方が違います
- 対象の条件:年齢、世帯構成、調理が困難であること、要介護度など
- 1食あたりの自己負担:自治体が一部を負担していることが多い
- 回数の上限:週に何回、1日に何食までか
- 安否確認の方法:手渡しか、応答がないときにどうするか
- 食事の内容:制限食(減塩・きざみ・やわらか等)に対応できるか
- 申請から開始まで:何日かかるか
問い合わせ先は市区町村の高齢福祉担当課、または地域包括支援センターです。ケアマネジャーがいる場合は、そちらに聞くのがいちばん早い方法です。
民間の宅配食
民間の宅配食は要件がなく、申し込めば使えます。回数も内容も自由に選べる代わりに、全額が自己負担で、安否確認は基本的に含まれません。
民間を選ぶときに効く条件
| 条件 | 見るところ |
|---|---|
| 制限食の対応 | 減塩・たんぱく質調整・やわらか食・きざみ食などの有無 |
| 1食あたりの総額 | 商品代に送料と手数料を足した額。定期便の割引条件 |
| 保管の形 | 冷凍か冷蔵か。冷凍庫の空きが足りるか |
| 受け取り方 | 置き配ができるか、時間帯を指定できるか |
| 解約の条件 | 定期便の回数しばりがあるか、いつまでに連絡が要るか |
| 1回の配送数 | まとめて届く数。保管場所と合っているか |
冷凍の宅配食は、届いた分を入れる場所が要ります。冷凍庫の空きを先に測ってください。
冷凍宅配食の内容と1食あたりの金額を確認する
メニュー・保存方法・配送の条件は公式サイトに記載があります。冷凍庫の空きと合わせて検討してください。
- 1食あたりの金額が出ています
- 自治体の制度は市区町村により異なります
- 治療用の食事は、主治医・管理栄養士の指示が先です
どちらを使うか
状況別の判断
ひとり暮らしで、安否確認も兼ねたい
対象外だった、または回数が足りない
減塩やたんぱく質の調整が必要
同居家族がいるが、日中はひとりになる
すぐに始めたい
冷凍宅配食そのものの選び方は選び方の基準、家庭ごとの使い方は家庭別の使い方にまとめています。
確認する項目
進め方
- ① 自治体に制度があるか聞く地域包括支援センターか高齢福祉担当課へ。ケアマネジャーがいればそこが早い。
- ② 対象かどうかを確認する世帯構成と状況を正確に伝える。決めつけない。
- ③ 回数と内容が足りるかを見る週何回か、制限食に対応できるか。
- ④ 足りない分を民間で埋める自治体が週3回なら、残りを民間で。組み合わせて使える。
- ⑤ 保管場所を確認する冷凍の宅配食は、届いた分を入れる場所が要る。
- ⑥ 本人が食べられるか試すまとめて頼む前に、少量で味と量を確かめる。
よくある失敗
介護保険で配食が使えると思い込む
食材費・調理費は給付の対象外です。市区町村の独自制度と混同しないでください。
自治体の制度を調べずに民間を契約する
対象なら負担が変わります。順序は自治体が先です。
冷凍庫の空きを確認せずに定期便を頼む
届いた分が入りません。先に測ってください。
本人の好みを確認せずにまとめて契約する
食べないまま残ることがあります。少量から試してください。
解約の条件を見ていない
定期便に回数しばりがあることがあります。
安否確認が付いていると思い込む
民間の宅配食は置き配が中心で、安否確認は含まれないのが一般的です。
よくある疑問
介護保険で配食サービスは使えますか。
ヘルパーに調理を頼むのと、どちらがよいですか。
自治体の配食と民間の宅配食は併用できますか。
制限食に対応してもらえますか。
安否確認はどこまでしてもらえますか。
冷凍宅配食の使い方ガイドの記事一覧
本ページは制度の一般的な整理です。名称・対象・費用・実施の有無は市区町村ごとに異なります。お住まいの市区町村の窓口、または地域包括支援センターでご確認ください。
一次情報の確認先
このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。