訪問美容という働き方
訪問美容は美容師免許を活かしたまま、働く場所と時間を変えられる選択肢です。サロン勤務が体力的に続かない場合の現実的な移り先でもあります。
サロン勤務との違い
1. 施術環境が毎回違う。ベッドの上、車椅子、限られたスペース。設備が整っていない前提で技術を組み立てる必要があります。
2. 時間の使い方が違う。移動時間が発生します。1日に回れる件数が限られる代わりに、スケジュールを自分で組めます。
3. 相手の状態への配慮が要る。座位を保てるか、首を後ろに倒せるか、認知症があるか。技術より先に、状態の把握が必要です。
4. 単価と件数の構造が違う。1件あたりの単価は抑えめでも、施設をまとめて回ると効率が変わります。
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始めるための準備
1. 美容師免許。カット・カラーには必須です。
2. 訪問美容に関する制度の理解。美容師法では、美容は原則として美容所で行うこととされていますが、疾病その他の理由により美容所に来られない人に対しては、出張して行うことが認められています。該当する条件と、自治体への必要な手続きを確認してください。
3. 持ち運べる道具。限られたスペースで施術できる装備。
4. 介護の基礎知識。身体状況への配慮、感染対策、事故防止。ここが専門スクールで学ぶ部分です。
5. 営業先の確保。施設との契約、ケアマネジャーとの関係づくり。
訪問美容でいくら稼げるか
比べる相手を先に置きます。厚生労働省の職業情報提供サイトによると、美容師の平均年収は388.5万円、平均年齢30歳(令和7年賃金構造基本統計調査)。これに届くかどうかで判断してください。(2026年9月18日確認)
訪問美容の収入は「1件あたりの単価」×「1日に回れる件数」×「稼働日数」で決まります。月32.4万円(388.5万円÷12)を作るのに必要な件数を、単価ごとに割り戻します。
年388.5万円に必要な件数(当サイト計算)
| 1件あたりの単価 | 必要な月間件数 | 週あたり | 1日8件回れるなら |
|---|---|---|---|
| 3,000円 | 108件 | 27件 | 13.5日 |
| 4,000円 | 81件 | 20件 | 10.2日 |
| 5,000円 | 65件 | 16件 | 8.2日 |
| 6,000円 | 54件 | 14件 | 6.8日 |
年388.5万円(厚生労働省の職業情報提供サイト・令和7年賃金構造基本統計調査)を12で割り、単価で割り戻した当サイトの計算です。単価は事業者・施設により異なります。売上であって、移動費・材料費・社会保険料は引かれていません。
だから施設と契約を持てるかどうかが、そのまま収入になります。スクールや事業者に聞く言葉はこれです。「卒業した方は、施設との契約をどう取っていますか。1日に何名くらい施術していますか」。
効率を左右するのは移動です。1つの施設で複数名をまとめて施術できれば、移動が減って件数が伸びます。施設との契約を持てるかどうかが、収入の安定に直結します。
また、サロン勤務を続けながら休日に始めるという入り方ができるのも、この働き方の特徴です。いきなり収入をすべて切り替える必要はありません。
向いている人
・立ちっぱなしのサロン勤務が体力的に厳しくなってきた人
・子育てなどで、時間を自分で組みたい人
・一人ひとりとゆっくり向き合いたい人
・人に喜ばれることを実感したい人
逆に、トレンドを追う仕事や、若い客層との関わりを重視する人には向きません。ここは好みの問題です。
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一次情報の確認先
このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。