雇用保険法 第61条の4/育児・介護休業法 第2条・第11条

要介護認定は、
条件に入っていません

「認定が下りてから休もう」と思っている人がいます。条文にその語はありません。介護保険の要介護認定と、介護休業が取れるかどうかは別の判断です。認定申請の結果を待つあいだに、親の状態はもっと動きます。

このページの内容
  1. 要介護状態とは何か
  2. みなし被保険者期間12か月
  3. 有期契約の人の条件
  4. 誰を介護する場合か
  5. 会社は拒めない
  6. 出ない場合
  7. よくある疑問

要介護状態とは何か

「負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、厚生労働省令で定める期間にわたり常時介護を必要とする状態」
育児・介護休業法 第2条第3号(e-Gov法令検索で2026年9月25日に確認)

「要介護認定を受けた者」とは書かれていません。負傷・疾病・障害により、常時介護を必要とする状態であることが条件です。判断の基準は厚生労働省令に委ねられています。

つまり、要介護認定の申請中でも、認定の区分が軽くても、常時介護が必要な状態であれば介護休業の対象になりえます。会社が「要介護認定の通知を出してください」と言ってきたら、それは法律が求めている条件ではありません。ただし、事業主が状態の確認を求めること自体は認められています。何の書類で説明できるかを、会社と先に詰めてください。

みなし被保険者期間12か月

「介護休業を開始した日前二年間に、みなし被保険者期間が通算して十二箇月以上であつたとき」
雇用保険法 第61条の4第1項(e-Gov法令検索で2026年9月25日に確認)

介護休業を開始した日の前2年間に、通算12か月以上。「いまの会社で12か月」ではありません。転職していても、雇用保険の被保険者だった期間は通算されます。

12か月を満たすか迷う場合

転職して8か月。前の会社では3年勤めた

前の会社の期間が通算されます。雇用保険の被保険者期間は、離職から一定期間内であればつながります。雇用保険被保険者証と離職票を用意して、ハローワークで確認してください。

週20時間ちょうどで働いている

雇用保険の被保険者であるかどうかがまず先です。給与明細に雇用保険料の控除があるかを確認してください。控除がなければ被保険者ではありません。

入社して10か月しか経っていない

前職がなければ、12か月には届きません。ただし介護休業を取ること自体は、別の条件で可能です。給付金が出ないだけです。

有期契約の人の条件

「期間を定めて雇用される者にあっては、…介護休業開始予定日から起算して九十三日を経過する日から六月を経過する日までに、その労働契約が満了することが明らかでない者に限り、当該申出をすることができる」
育児・介護休業法 第11条第1項ただし書(e-Gov法令検索で2026年9月25日に確認)

契約社員・パート・派遣で、期間を定めて雇われている人は、この条件を満たす必要があります。読み替えると——休業を始める予定日から93日たった日、さらにその先6か月の時点で、契約が終わっていることが「明らか」でなければよい、ということです。

「明らかでない」という書き方が効きます。契約更新されるかどうか分からない、という状態は「明らかに終わる」には当たりません。更新の実績があるなら、まず申し出てください。

誰を介護する場合か

介護休業の対象は、育児・介護休業法が定める対象家族です。配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)、父母、子、配偶者の父母などが定められています。範囲の詳細は条文で確認してください。→ 育児・介護休業法(e-Gov法令検索)

同居・扶養が条件かどうかも含め、ここでは断定しません。あなたの家族が該当するかは、会社の就業規則とハローワークで確認してください。

会社は拒めない

「事業主は、労働者からの介護休業申出があったときは、当該介護休業申出を拒むことができない」
育児・介護休業法 第12条第1項(e-Gov法令検索で2026年9月25日に確認)

「拒むことができない」と書かれています。介護休業は会社の許可制ではありません。要件を満たしている申出を、事業主が拒否することはできません。

ただし、開始日については会社が動かせる部分があります。

「当該介護休業開始予定日とされた日が当該介護休業申出があった日の翌日から起算して二週間を経過する日前の日であるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該介護休業開始予定日とされた日から当該二週間経過日までの間のいずれかの日を当該介護休業開始予定日として指定することができる」
育児・介護休業法 第12条第3項

申し出た日の翌日から2週間を切って開始予定日を設定すると、会社はその2週間経過日までのいずれかの日に開始日を指定できます。つまり、休みたい日の2週間前までには申し出てください。逆に、2週間前までに出しておけば、開始日は動かされません。

出ない場合

給付金が出ない主なケース

どんな場合根拠
同じ対象家族について4回目以降の介護休業雇用保険法 第61条の4「四回以上の介護休業をした場合における四回目以後の介護休業」
同じ対象家族について93日に達した後の休業同条「九十三日に達した日後の期間内にある介護休業」
みなし被保険者期間が12か月に満たない同条第1項
雇用保険の被保険者でない前提条件

2026年9月25日に e-Gov法令検索で確認しました。93日と3回は、対象家族1人ごとに数えます。父と母の両方を介護する場合は、それぞれに93日があります。

ここは重要です。父で93日を使い切っても、母については別に93日があります。条文は「当該対象家族について」と書いています。

よくある疑問

要介護認定の区分が要支援1でも取れますか。

条文が見ているのは認定の区分ではありません。常時介護を必要とする状態かどうかです。認定区分だけで判断しないでください。

親が遠方に住んでいても取れますか。

距離の条件は条文にありません。対象家族に当たるかどうかが問題です。

介護休業を取ったら、その後の失業給付に影響しますか。

ここでは断定しません。ハローワークで直接確認してください。

パートで雇用保険に入っていません。

給付金は出ません。ただし介護休暇(年5労働日)は別の制度です。→ 介護休暇との違い

このページは、介護休業給付金の手続きが実際にどう動くのかを、雇用保険法・育児介護休業法・健康保険法の条文と、厚生労働省の支給申請手続の資料で確かめて書いています。支給の可否と金額を決めるのはハローワークです。ここでは、条文で決まっていて全国どこでも同じ部分と、あなたの側から動かせる部分を書きます。介護が必要になった原因の病気については触れません。

確認に使った一次情報

2026年9月25日に確認しました。条文で全国共通なのは、支給の要件・日数の上限・申請の期限までです。実際の金額は、あなたの休業開始前6か月の賃金で決まります。

介護休業給付金ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

次に見ておくガイド