給付金が出るのは、
片方だけです
会社に相談したら「まず介護休暇を使って」と言われた。その通りにすると、給付金は1円も出ません。介護休暇は無給でも違法ではない制度です。2つは目的が違います。使う順番を間違えないでください。
並べて比べる
介護休業と介護休暇
| 介護休業 | 介護休暇 | |
|---|---|---|
| 日数 | 対象家族1人につき通算93日 | 1年度に5労働日(対象家族2人以上なら10労働日) |
| 分け方 | 3回まで分割できる | 1日未満の単位でも取れる |
| 給付金 | 介護休業給付金が出る(雇用保険) | 出ない |
| 賃金 | 会社から出るかは就業規則による | 会社から出るかは就業規則による |
| 使いどころ | 介護の体制を作るためにまとまって休む | 通院の付き添い・ケアマネとの面談など単発の用事 |
| 根拠 | 育児・介護休業法 第11条 | 育児・介護休業法 第16条の5 |
2026年9月25日に e-Gov法令検索で確認しました。どちらも、法律上は「申し出ることにより」取得できる制度です。
介護休業=93日
「当該対象家族について三回の介護休業をした場合」
育児・介護休業法 第11条第2項第1号
「介護休業日数…が九十三日に達している場合」
育児・介護休業法 第11条第2項第2号
93日と3回は、対象家族1人ごとの上限です。使い切ると、その家族についてはもう取れません。だからこそ、いつ使うかが重要になります。→ 93日をどう配分するか
介護休暇=年5日
「一の年度において五労働日(要介護状態にある対象家族が二人以上の場合にあつては、十労働日)を限度として」
育児・介護休業法 第16条の5第1項(e-Gov法令検索で2026年9月25日に確認)
「一の年度」は、事業主が別段の定めをしない限り4月1日から翌年3月31日までです(同条第4項)。3月に5日使い切っても、4月にまた5日使えます。年度をまたぐ使い方は覚えておいて損がありません。
そして、1日未満の単位で取れます(同条第2項)。ケアマネとの面談、地域包括支援センターへの相談、病院の付き添い——半日で済む用事に、丸1日の有給を使う必要はありません。
1日未満で取れない人がいる
「介護休暇は、一日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるもの以外の者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める一日未満の単位で取得することができる」
育児・介護休業法 第16条の5第2項(e-Gov法令検索で2026年9月25日に確認)
読み飛ばされやすいのが「以外の者は」の5文字です。1日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定められた人は、この時間単位の取得から外れます。短時間勤務のパートで「半日だけ介護休暇を取りたい」と考えている人は、就業規則と会社の担当者に、自分が対象かどうかを先に確認してください。
どの範囲の労働者が除かれるかは厚生労働省令の定めによります。ここでは省令の中身を断定しません。会社と労働局に確認してください。
申し出のしかた
何を明らかにして申し出るか
| 介護休業 | 介護休暇 | |
|---|---|---|
| いつまでに | 開始予定日の2週間前まで。切って出すと、会社が開始日を2週間経過日までのいずれかの日に指定できます(第12条第3項) | 条文に日数の定めはありません。会社の運用によります |
| 何を伝えるか | 対象家族が要介護状態にあること、開始予定日と終了予定日 | 対象家族が要介護状態にあること、取得する日(1日未満なら開始と終了の日時)(第16条の5第3項) |
| 会社は拒めるか | 拒むことができません(第12条第1項) | 会社の運用と就業規則を確認してください |
2026年9月25日に e-Gov法令検索で確認しました。介護休業について「事業主は…拒むことができない」と明記されているのは第12条第1項です。
「第一項の規定による申出は、厚生労働省令で定めるところにより、当該申出に係る対象家族が要介護状態にあること及び介護休暇を取得する日(…一日未満の単位で取得するときは介護休暇の開始及び終了の日時)を明らかにして、しなければならない」
育児・介護休業法 第16条の5第3項
条文が求めているのは「要介護状態にあること」と「取得する日」です。診断書や要介護認定の通知書の提出を条文が求めているわけではありません。会社が独自の様式を用意していることが多いので、まず総務に確認してください。
どちらを先に使うか
状況別の使い分け
| いまの状況 | 使うもの | 理由 |
|---|---|---|
| 親が入院した。退院後の体制がまだ何もない | 介護休業 | 要介護認定の申請、ケアマネ選び、サービス事業者の契約、住宅改修——まとまった日数が要ります。給付金も出ます |
| 体制はできている。月に1〜2回、通院の付き添いがある | 介護休暇 | 93日を温存できます。1日未満の単位で取れるので、半日で済む用事に向きます |
| 親の状態が急に悪くなるかもしれない | 介護休暇で当面をしのぐ | 93日は1人につき1回きりの資源です。本当に必要になったときに残っていないと詰みます |
93日は取り返しがつきません。介護休暇で足りる用事に介護休業を使わないでください。
有給休暇と比べる
実務では、有給休暇・介護休暇・介護休業の3つから選ぶことになります。手取りで比べると、順番が見えてきます。
3つを手取りで比べる
| 賃金 | 給付金 | 日数の上限 | |
|---|---|---|---|
| 年次有給休暇 | 出る(全額) | なし | 付与された日数 |
| 介護休暇 | 就業規則による(無給でも違法ではない) | なし | 1年度に5労働日(対象家族2人以上なら10労働日) |
| 介護休業 | 就業規則による(無給が通常) | 介護休業給付金が出る | 対象家族1人につき通算93日・3回まで |
賃金が全額出る有給休暇が、手取りでは最も有利です。ただし有給は自分の休息のための日数でもあります。介護で使い切ると、自分が休めなくなります。
ここで判断が分かれます。有給を介護に全部使うと、自分が体調を崩したときに休めません。介護は数年続きます。「有給は自分のために残す」と決めて、介護の用事は介護休暇で取る——この線引きをしておいた人が、長く続いています。
よくある疑問
介護休暇は有給ですか。
介護休暇でも給付金は出ますか。
有給休暇を先に使ったほうがよいですか。
介護休暇は何日前に言えばよいですか。
両方を同じ年に使えますか。
このページは、介護休業給付金の手続きが実際にどう動くのかを、雇用保険法・育児介護休業法・健康保険法の条文と、厚生労働省の支給申請手続の資料で確かめて書いています。支給の可否と金額を決めるのはハローワークです。ここでは、条文で決まっていて全国どこでも同じ部分と、あなたの側から動かせる部分を書きます。介護が必要になった原因の病気については触れません。
確認に使った一次情報
- 雇用保険法 第10条(失業等給付)/第12条(公課の禁止)/第17条(賃金日額)/第61条の4(介護休業給付金)e-Gov法令検索
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第2条(定義)/第11条(介護休業の申出)/第12条(介護休業申出があった場合における事業主の義務等)/第16条の5(介護休暇の申出)e-Gov法令検索
- 健康保険法 第159条(育児休業等期間中の保険料の徴収の特例)e-Gov法令検索
- 厚生労働省「介護休業給付の内容及び支給申請手続について」厚生労働省
2026年9月25日に確認しました。条文で全国共通なのは、支給の要件・日数の上限・申請の期限までです。実際の金額は、あなたの休業開始前6か月の賃金で決まります。
介護休業給付金ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。