限度額は余っているのに、
増やせないと言われた
「デイサービスをもう1日増やしたい」と言ったら、「限度額はまだありますが、これ以上は入れられません」と返ってきた。理由を説明されなかった人が多いはずです。止まる理由は3つしかありません。どれなのかを聞けば、次の手が決まります。
止まる理由は3つ
「増やせません」の中身
| 理由 | 見分ける質問 | 次の手 |
|---|---|---|
| ① 区分支給限度額に当たっている | 「限度額の残りは円でいくらですか」 | → 限度額を超えたときに残る道 |
| ② 種類支給限度基準額に当たっている | 「この市は種類支給限度基準額を設定していますか」 | 別の種類に振り替える(このページ) |
| ③ 事業所に空きがない | 「空きがないのはこの事業所だけですか」 | 他の事業所を当たってもらう |
「増やせません」で会話を終わらせないでください。①②③は対処がまったく違います。聞けば必ず答えは出ます。
条文にある
「市町村は、居宅要介護被保険者が居宅サービス及び地域密着型サービスの種類ごとに…受けた一の種類の居宅サービスにつき支給する居宅介護サービス費の額の総額…について、居宅介護サービス費等種類支給限度基準額を基礎として…百分の九十に相当する額を超えることができないこととすることができる」
介護保険法 第43条第4項(e-Gov法令検索で2026年9月25日に確認)
「種類ごとに」「一の種類の居宅サービスにつき」。区分支給限度額とは別に、サービスの種類ごとの上限を市町村が置けます。これが種類支給限度基準額です。
置くかどうかは市町村の判断です。置いていない市町村も多数あります。だから「うちの市では増やせなかった」という他人の話は、あなたの市には当てはまりません。
ケアマネへの聞き方
この3つを順番に聞く
- 「区分支給限度額の残りは、円でいくらですか」——単位数ではなく円で。余っているかがはっきりします
- 「この市は種類支給限度基準額を設定していますか」——条文の用語で聞くと即答が返ります
- 「設定されているなら、どの種類にいくらですか」——振り替え先を決める材料になります
ケアマネジャーが即答できないこともあります。そのときは市区町村の介護保険担当課に自分で電話して構いません。保険者は市町村です。
種類を振り替えると枠が空く
ここが、このページで一番使えるところです。種類支給限度基準額は「種類ごと」にかかります。だから種類が違えば、枠も別です。
目的が同じで、種類が違うもの
| やりたいこと | 同じ目的で使える別の種類 |
|---|---|
| 日中を見てもらう | 通所介護(デイサービス)/通所リハビリテーション/地域密着型通所介護/小規模多機能型居宅介護 |
| 家で手を借りる | 訪問介護/訪問看護/訪問入浴介護/訪問リハビリテーション |
| 泊まる | 短期入所生活介護/短期入所療養介護 |
| 入浴させる | 通所介護の入浴/訪問入浴介護 |
通所介護と通所リハビリは、どちらも「日中を預かる」サービスですが、条文上は別の種類です。だから通所介護の上限に当たっていても、通所リハビリの枠は残っています。
「デイを増やせない」と言われたら、次の一言を用意してください。「通所リハビリなら入りますか」。これで通ることがあります。
振り替えの計算例
仮に、要介護3の人が通所介護の種類別上限にぶつかっているとします。以下は仕組みを説明するための仮の数字です。実際の上限額は市町村ごとに違います。
要介護3(区分支給限度額 270,480円)の場合の例
| 金額 | |
|---|---|
| 区分支給限度額(全体の枠) | 270,480円 |
| いま使っている合計 | 200,000円(残り70,480円) |
| うち通所介護 | 150,000円(種類別上限に到達) |
| 通所介護をあと1日増やすと | 超過分は10割負担 |
| 通所リハビリに振り替えると | 残りの70,480円の枠で入る(1割なら自己負担7,048円) |
上限額は仮の数字です。ここで言いたいのは、同じ日数を増やすのに、種類を変えるだけで自己負担が10割から1割になり得るということです。要介護度別の区分支給限度額は厚生労働省の公表値(要介護3は270,480円)です。
10割と1割の差です。月3万円分を増やすなら、30,000円払うか3,000円で済むかの違いになります。ケアマネジャーに「種類を変えれば入りますか」と一言聞くだけで、この差が出ます。
保険の枠で入らない時間だけ、いくらで埋まるか
種類を振り替えても入らない場合、その分は10割です。保険外のサービスは最初から全額自己負担ですが、10割の超過分より安いことがあります。時間帯と内容を伝えれば金額が出ます。見積もりは無料で、金額を見てから断って構いません。
- 見積もりは無料です。金額を見てから断って構いません
- いま足りない時間だけを切り出して頼めます
- 対応できる時間帯と料金は、電話1本で先に分かります
市町村に直接聞く
「市町村及び特別区は、この法律の定めるところにより、介護保険を行うものとする」
介護保険法 第3条第1項(保険者)
電話は3分で終わります
- ① 市区町村の介護保険担当課にかける地域包括支援センターではありません。保険者である市区町村です。
- ② 条文番号を先に言う「介護保険法第43条第4項の種類支給限度基準額を設定していますか」
- ③ 第3項も同時に聞く「区分支給限度基準額の上乗せ(第43条第3項)は条例で定めていますか」。2つまとめて聞けば電話1回で済みます。
- ④ 答えをケアマネに渡す設定がないと分かれば、止まっている理由は①か③です。
振り替えられない場合
振り替えが効かない3つのケース
小規模多機能型居宅介護を使っている
他の居宅サービスとの併用に制限があります。通所・訪問・泊まりが一体のため、別々に足すことができません。いま使っているものが使えなくなる場合があるので、切り替える前に全部並べてもらってください。
医師の指示が要るサービスに振り替えようとしている
通所リハビリ・訪問看護・訪問リハビリは医師の指示や意見が前提になります。主治医に相談する時間を見込んでください。
保険外で埋める
順序を間違えないでください。
埋める順番
- ① 種類を振り替える費用ゼロで枠が空くことがあります。まずここ。
- ② 限度額の外の給付を使う住宅改修費・福祉用具購入費は別枠です。→ 住宅改修の20万円
- ③ 自治体の独自事業を使う配食・緊急通報・家事援助。介護保険の枠の外です。→ 配食サービス/家事援助
- ④ 区分変更を検討する状態が変わっているなら区分が上がり、限度額も上がります。→ 認定調査で伝えること
- ⑤ 残りを保険外で埋める10割の超過分と保険外の料金を、数字で比べてください。
10割の超過分と、保険外の料金を並べて比べる
早朝・夜間・通院の付き添い・長時間の見守りなど、介護保険では頼めない内容も含めて見積もれます。限度額にも種類の上限にも関係なく使えます。
- 見積もりは無料です。金額を見てから断って構いません
- いま足りない時間だけを切り出して頼めます
- 対応できる時間帯と料金は、電話1本で先に分かります
よくある疑問
種類支給限度基準額はどこに書いてありますか。
上限を超えて使えますか。
通所介護と通所リハビリは何が違いますか。
家族が見るしかないと言われました。
小規模多機能にまとめれば解決しますか。
確認に使った一次情報
- 介護保険法 第3条(保険者)/第27条(要介護認定)/第28条(有効期間・更新)/第43条(支給限度額)/第49条の2(一定以上の所得)/第51条の3(特定入所者介護サービス費)/第66条(保険料滞納者に係る支払方法の変更)/第183条(審査請求)/第200条(時効)e-Gov法令検索
2026年9月25日に e-Gov法令検索で確認した条文です。条文で全国共通なのは、手続きの骨と期限までです。金額・様式・窓口の運用は市区町村ごとに違います。
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- 養護老人ホームの措置入所
- 要介護の区分変更申請
- 特別障害者手当
- おむつと日常生活用具
- 障害者控除対象者認定書
- 高額介護サービス費
- 受領委任払い
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- 重度障害者医療費助成
- 自動車税の減免
- 住宅改修が必要な理由書
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- 保険者と引っ越し
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一次情報の確認先
このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。