食事を届ける制度だが、目的の半分は安否確認
市区町村の配食サービスは、介護保険の給付ではなく自治体が独自に行っている高齢者福祉サービスです。渋谷区は「配食事業協力店が自宅に栄養バランスのとれた食事をお届けし、同時に安否確認を行います。」、港区も「栄養バランスのとれた食事を自宅にお届けし、同時に安否確認を行います」としています。だから「弁当を頼む」だけの制度ではなく、対象者の条件が決められています。
2区で条件がここまで違う
実測した2区の配食サービス(2026年9月12日確認)
| 渋谷区 | 港区 | |
|---|---|---|
| 年齢 | 75歳以上(ほかに要支援・要介護認定、総合事業の事業対象者、セーフティーネット見守りサポート事業登録者) | 「食事の調理が困難な65歳以上のひとり暮らしの人」、高齢者のみの世帯、高齢者と障害者のみの世帯 |
| 回数 | 「1日(配達を行った日のみ)1食まで」 | 「昼食および夕食を週7食まで」 |
| 自己負担 | 1食あたり150円が区から補助され、弁当代から差し引いた額を負担 | 「1食当たり320円~480円(6事業者)」 |
| 申請 | スマート申請/地域包括支援センター・高齢者福祉課/郵送 | 電子申請/郵送/各地区総合支所区民課保健福祉係・高齢者相談センター |
| 使えない場合 | 「障がい者福祉課の配食サービス利用・申請済の人は申請できません」 | — |
出典:渋谷区・港区の公表内容(2026年9月12日確認)。制度の有無・対象・回数・自己負担額は市区町村ごとに異なります。
年齢が75歳と65歳で10歳違い、回数が「1日1食」と「週7食(昼夕)」で違います。負担の出し方も「区が150円補助」と「1食320〜480円」で、比べ方そのものが違います。
他の市区町村の案内をそのまま当てはめられません。
安否確認がセットになっている理由
2区とも「同時に安否確認を行います」と明記しています。配達の人が手渡しで届け、応答がなければ連絡が回る仕組みです。
だから「玄関前に置いておいてほしい」という頼み方は、制度の趣旨から外れます。受け取る人が在宅で応対できることが前提です。
逆に言えば、ひとり暮らしの親の様子を定期的に見てもらう手段としても機能します。→ 緊急通報システム
対象になる人
2区が公表している対象(共通して出てくるもの)
- ひとり暮らし、または高齢者のみの世帯
- 食事の調理が困難であること(港区)
- 年齢の下限(渋谷区は75歳以上、港区は65歳以上)
- 要支援・要介護認定、または総合事業の事業対象者(渋谷区)
- 港区は「日中長時間ひとりになる人も相談可能」
「調理が困難」という条件は、自己申告ではなく窓口の判断になります。港区は申請時に生活状況を審査して適否を判断するとしています。
申請のしかた
申請までの順番
- 市区町村に制度があるか確かめる実施していない市区町村もあります。「配食」「食事サービス」など名前も違います。
- 対象の条件を確かめる年齢の下限が区によって10歳違います。
- 地域包括支援センターに相談する渋谷区・港区とも窓口のひとつに挙げています。
- 申請する(オンラインが使える区がある)渋谷区はスマート申請、港区は電子申請が使えます。
- 生活状況の確認を受ける港区は申請時に生活状況を審査して適否を判断するとしています。
この制度では足りない場合
ここから先は自治体の制度ではありません。配食サービスには回数の上限があります。渋谷区は1日1食まで、港区は週7食までです。3食すべてを賄う制度ではありません。
また対象の条件(年齢・世帯・調理が困難かどうか)に当てはまらなければ使えません。年齢が届かない、同居家族がいる、といった理由で対象外になることがあります。
足りない分をどう埋めるかは、冷凍で届いて好きなときに食べられるものを併用する、という組み立てが現実的です。制度の配食は当日受け取りが前提ですが、冷凍なら受け取りの時間に縛られません。
配食が来ない土日、親は何を食べているか
ここから先は自治体の制度ではなく、民間サービスの申し込みです。料金・配送地域・メニューは各社の公表値をご確認ください。
- 見積もりは無料です。金額を見てから断って構いません
- 郵便番号を入れると、来られるかどうかが先に分かります
- 自治体の助成が使えるかは、先に区へ電話すれば分かります
制限食が必要な場合は別にまとめています。→ 制限食・介護食の宅配/冷凍宅配食の使い方
よくある取りこぼし
他の区の案内を見て「65歳から使える」と思った
渋谷区は75歳以上です。年齢の下限は市区町村ごとに違います。
玄関前に置いてもらおうとした
2区とも「同時に安否確認を行います」としています。手渡しが前提です。
障害者向けの配食と両方申し込もうとした
渋谷区は「障がい者福祉課の配食サービス利用・申請済の人は申請できません」としています。
3食すべてを頼めると思った
渋谷区は1日1食まで、港区は週7食までです。
介護保険のサービスだと思った
市区町村が独自に行う高齢者福祉サービスです。
ケアマネジャーに聞かずに探した
地域包括支援センターが窓口のひとつです。
確認に使った一次情報
- 渋谷区「高齢者等配食サービス」渋谷区 配食サービス
- 港区「高齢者配食サービス」港区 配食サービス
- 新宿区「高齢者緊急通報システム」新宿区 緊急通報システム
- 中央区「緊急通報システム」中央区 緊急通報システム
- 板橋区「高齢者緊急通報システム」板橋区 緊急通報システム
- 港区「高齢者家事援助サービス」港区 家事援助サービス
いずれも2026年9月12日に確認した公表内容です。制度の有無・対象・上限・自己負担額は市区町村ごとに異なり、また年度ごとに変わります。
よくある疑問
いくらかかりますか。
毎日頼めますか。
同居家族がいても使えますか。
食事の内容は選べますか。
介護保険の利用限度額を使いますか。
介護保険で頼めないことの記事一覧
- 介護保険で頼めない24選
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- 社会福祉法人の負担軽減
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- 養護老人ホームの措置入所
- 要介護の区分変更申請
- 特別障害者手当
- おむつと日常生活用具
- 障害者控除対象者認定書
- 高額介護サービス費
- 受領委任払い
- 家族介護慰労金
- 障害福祉の負担上限月額
- 高額医療・高額介護合算療養費
- 重度障害者医療費助成
- 自動車税の減免
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- 住宅改修の事前申請
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- 2年で消える権利
本ページは、市区町村が介護保険とは別に行っている高齢者福祉サービスについての一般的な整理です。制度の有無・対象者の条件・回数や時間の上限・自己負担額は、市区町村ごとに異なります。お住まいの市区町村と地域包括支援センターにご確認ください。
一次情報の確認先
このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。