本ページはアフィリエイト広告を利用しています。制度の記載は厚生労働省と市区町村の公表資料で確かめ、確かめた日を各所に書いています。

手帳の等級で決まる制度ではない。診断書で判定される

特別障害者手当を調べると、出てくるのはお住まいの市区町村のページか、厚生労働省の一文だけです。市区町村は自分の市の案内しか書かず、国は要件の骨格しか書きません。そのあいだにある「実際に何で決まるのか」「どういうときに出ないのか」が、どこにもまとまっていません。ここではその部分を整理します。

このページの内容
  1. どんな制度か
  2. 対象になる人
  3. 支給されない3つの場合
  4. 入所しても止まらない住まいがある
  5. 誰の所得まで見られるか
  6. 診断書で決まるということ
  7. 申請の順序
  8. 毎年8月の所得状況届
  9. 受け取ったあとの使い道
  10. よくある疑問

どんな制度か

特別障害者手当は、在宅で、常時特別の介護を必要とする重度の障害がある方に、国が現金を支給する制度です。介護保険のサービスでも、障害福祉サービスでもありません。使いみちは決められていません。

制度の骨格(厚生労働省の公表内容より)

項目内容
対象年齢20歳以上
状態の要件著しく重度の障害のため、日常生活において常時特別の介護を必要とする状態
月額30,450円(令和8年4月から。年度ごとに改定されます)
支給の時期2月・5月・8月・11月に、それぞれ前月分までをまとめて振り込み
申請先住所地の市区町村の福祉事務所(障害福祉の窓口)
支給の開始申請した月の翌月分から

毎月振り込まれるわけではなく、3か月分をまとめて年4回受け取る形です。生活費の計画を立てるときは、この間隔を前提にしてください。

申請した月の翌月分から、という点は取り返しがつきません。要件を満たしていた期間があっても、さかのぼって支給されるものではありません。該当しそうだと思った時点で窓口に相談するのが、金額としていちばん大きい差になります。

対象になる人

もっとも誤解されているのが、「身体障害者手帳○級だから対象」「要介護○だから対象」という形では決まらないという点です。手当には手当独自の認定基準があり、判定は所定の診断書に基づいて行われます。

問い合わせの多い状況と、考え方

手帳は持っているが、等級が該当するか分からない

等級そのものが判定の基準ではありません。手帳がなくても、状態が要件に当たると判定されれば対象になり得ます。逆に、重い等級でも「常時特別の介護を必要とする」状態に当たらないと判定されることがあります。

要介護認定は受けているが、障害の手続きはしていない

介護保険とは別の制度です。要介護認定の有無や区分は、この手当の判定には直接使われません。高齢による重度の状態でも、要件に当たれば対象になり得ます。窓口では高齢福祉ではなく障害福祉の担当に聞いてください。

複数の障害が重なっている

手当の認定基準は、単一の重い障害だけでなく、複数の障害が重なった状態も想定しています。診断書を書く医師に、すべての診断名と日常生活の状況を漏れなく伝えることが結果を左右します。

本人は施設に入らず自宅にいるが、日中は通所している

通所の利用は入所とは異なります。ただし扱いは自治体の運用にも関わるため、通っている先の種別(介護保険の通所か、障害福祉の施設か)を伝えて窓口で確認してください。

支給されない3つの場合

要件に当たっていても、次のいずれかにあたると支給されません。ここを知らずに申請して却下される、あるいは受給中に止まるのが、いちばん多い行き違いです。

支給されない場合(複数の自治体の公表内容より)

区分内容実務上の注意
施設入所障害者支援施設、特別養護老人ホーム等の施設に入所しているとき(通所は除く)入所が決まった時点で届け出が必要です。黙っていると、あとで返還を求められます
長期入院病院または診療所に継続して3か月を超えて入院しているとき。介護老人保健施設に3か月を超えて入所しているときも同じ扱いです「継続して」の数え方(いったん退院した場合の扱い)は窓口に確認してください
所得超過本人または配偶者・扶養義務者の前年所得が限度額を超えるとき毎年8月の所得状況届で確認されます。世帯の状況が変われば結果も変わります

この制度は在宅であることが前提です。ただし「在宅かどうか」の線は、建物ではなく施設の種別で引かれています。次の節で切り分けます。

入院については、「3か月を超えて」なので、3か月以内の入院を繰り返す場合と、そのまま続く場合とで扱いが変わります。退院と再入院を挟んだときにどう数えるかは自治体の運用に関わるため、入院が長引きそうな段階で先に窓口へ相談してください。

入所しても止まらない住まいがある

ここが、この制度でいちばん取りこぼされている部分です。「ホームに入ったから、もう手当は出ない」と思い込んで申請しない、あるいは自分から辞退してしまう方がいます。実際には、住まいの種類によって扱いが分かれます。

住まいの種類と、手当が続くかどうか
住まいの種類と、手当が続くかどうか右に行くほど、手当が止まりやすくなります自宅にいる続くGH・有料・サ高住続く(要確認)特養・障害者支援施設止まる

→ 図は横にスクロールできます

  1. 自宅にいる訪問介護もデイサービスもショートステイも、利用していること自体は支給されない理由になりません。日中だけの通所も同じです。
  2. GH・有料・サ高住五戸町は「グループホーム・有料老人ホーム・障がい者向けアパート」を施設入所とみなさないと明記しています。大津市も「グループホーム、住宅型有料老人ホーム又はサービス付き高齢者向け住宅等は除く」としています。
  3. 特養・障害者支援施設障害者支援施設や特別養護老人ホーム等に入所すると支給されません。介護老人保健施設への3か月を超える入所も同じ扱いです。

施設の種別ごとの扱い(足立区・大津市・五戸町の公表内容より)

住まい・使い方扱い確認した記載
自宅(訪問・通所を利用)支給される通所は入所から除かれます。デイサービスなど日中のみの利用は対象外になりません
短期入所(ショートステイ)支給される五戸町は短期入所を「受給できなくなる施設入所」に含めていません
グループホーム支給される五戸町・大津市がいずれも施設入所から除いています
有料老人ホーム支給される五戸町は「有料老人ホーム」、大津市は「住宅型有料老人ホーム」を除外と記載
サービス付き高齢者向け住宅支給される大津市が明記。足立区も支給対象としています
特別養護老人ホーム支給されない「障害者支援施設、特別養護老人ホーム等」に含まれます
障害者支援施設(入所)支給されない同上。ただし通所は除かれます
介護老人保健施設3か月を超えると支給されない病院・診療所への入院と同じ数え方です

金額にすると月30,450円、1年で365,400円の差になります。「ホームに入ったから」で自己判断せず、入居先の種別(登記や重要事項説明書に書かれた種別)を持って窓口で確認してください。

ただし、注意すべき点が2つあります。1つは、大津市が除外しているのは「住宅型」有料老人ホームだと明記していることです。介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)の扱いは、自治体の案内によって書き方が違います。もう1つは、同じ「グループホーム」でも障害福祉の共同生活援助と認知症対応型共同生活介護では根拠法が違うことです。いずれも、施設のパンフレットではなく重要事項説明書に書かれた正式な種別を窓口に伝えてください。

誰の所得まで見られるか

所得制限は、本人だけでなく、配偶者および扶養義務者の所得も見られます。同居している家族の所得によって、本人の状態が要件を満たしていても支給されないことがあります。

所得制限限度額(扶養親族0人の場合。大津市の公表内容より)

誰の所得を見るか限度額(所得額)
本人3,758,000円
配偶者・扶養義務者6,287,000円

扶養親族の人数によって限度額は上がります。本人の限度額と、配偶者・扶養義務者の限度額は別の数字です。同居する子の所得で止まることがあるのはこのためです。年度ごとに改定されるため、必ず申請時点の数字を窓口で確認してください。

見られるのはいつの所得かも押さえてください。大田区は、令和7年8月から令和8年7月までの支給分については令和6年分の所得で判定すると案内しています。所得が下がった年の影響が出るのは、その次の8月以降です。退職や休職で収入が減った場合、止まっていた手当が翌年の8月から動き出すことがあります。

「所得」は収入から必要な控除を引いたあとの金額です。収入がいくらだから駄目、と自己判断で諦めないでください。控除の内容によって結果は変わります。窓口では源泉徴収票や課税証明書をもとに、その場で見てもらえます。

診断書で決まるということ

判定の材料は、市区町村所定の様式による診断書です。この書類の書かれ方で結果が変わります。だからこそ、渡し方に手順があります。

診断書を依頼するときの順序

  1. ① 先に窓口で様式をもらう様式は市区町村指定です。一般的な診断書では受け付けられません。障害の種別によって様式が分かれていることもあります。
  2. ② 作成できる期間を確認する作成日から一定期間内のものに限る、という条件がついていることがあります。早く書いてもらいすぎると出し直しになります。
  3. ③ 日常生活の状況をメモにして渡す医師は診察室での様子しか見ていません。食事・排泄・入浴・移動・意思疎通について、家庭で誰がどれだけ手を貸しているかを書いたメモを添えてください。これが最も効きます。
  4. ④ 費用は自己負担であることを見込む診断書の作成料は保険がききません。金額は医療機関ごとに異なります。
  5. ⑤ 提出前に窓口で記載漏れを見てもらう空欄があると差し戻され、書き直しにまた時間と費用がかかります。

医師に渡すメモに書くこと(介護している人が書く)

申請の順序

申請から支給までの流れ

  1. ① 市区町村の障害福祉の窓口に相談する高齢の方でも窓口は障害福祉です。ここで様式一式を受け取ります。
  2. ② 所定の診断書を医師に書いてもらう上の手順のとおり。ここが最も時間がかかります。
  3. ③ 申請書・診断書・所得の書類等を提出する本人名義の振込口座、マイナンバーの確認書類なども求められます。必要書類は窓口で確認してください。
  4. ④ 認定と決定通知を待つ支給は申請した月の翌月分からです。
  5. ⑤ 毎年8月に所得状況届を出す出さないと支給が止まります。届く時期を家族で共有しておいてください。
  6. ⑥ 状況が変わったら届け出る入所・長期入院・転居・世帯の変更は届け出が必要です。

毎年8月の所得状況届

認定されたあとに手当が止まる原因で、いちばん多くて、いちばん防ぎやすいのがこれです。

松山市は「毎年8月中に『特別障害者手当所得状況届』を提出する必要があります。この届の提出がないと、8月分以降の手当が受けられなくなります」と案内しています。名称は自治体によって「所得状況届」「現況届」と分かれますが、年に一度、夏に出す書類がある点は共通です。

特別障害者手当の1年(届出と振込の時期)
特別障害者手当の1年(届出と振込の時期)年度(4月始まり)所得状況届456789101112123色が付いている月に届出を出します/▲ 振込(前の3か月分)

→ 図は横にスクロールできます

色が付いている8月に所得状況届を出します。この一通を出さないと、松山市の案内では8月分以降の手当が受けられなくなります。振込は▲の4回で、それぞれ前の3か月分がまとめて入ります。毎月入るものではないので、生活費の計画はこの間隔を前提に立ててください。

受け取っているのが高齢のご本人で、郵便物の管理が難しくなっている場合、この一通が開封されないまま8月が終わります。止まったことに気づくのは、11月の振込がなかったときです。本人あての郵便を家族が確認できる形にしておくか、送付先を家族の住所に変更できるかを窓口で聞いてください。

受け取ったあとの使い道

この手当は使いみちが決められていません。そして実務上、いちばん多い使い道が「介護保険では頼めないことを、自費で頼む費用」です。

介護保険の訪問介護は本人の日常生活に必要な行為に限られるため、同居家族の分の家事、通院の付き添い、外出の同行、庭木の手入れなどは対象外です。年4回まとまって入る手当を、この部分にあてる形が現実的です。

手当は月に1度。手が足りないのは毎日です

手当が入る月にまとめて依頼する、という使い方もできます。相談・見積もりは無料です。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。面談・相談は無料。広告(PR)を含みます。

→ 保険で頼めない4分類を見る/おむつや用具は制度で出るか/手帳がなくても使える所得控除/見守り機器の自治体の助成

よくある失敗

該当しないと思い込んで申請しない

手帳の等級や要介護度で判断してしまう例が最も多い。判定は診断書で行われます。窓口で状態を伝えれば、該当しそうかどうかは教えてもらえます。

入所・入院を届け出ない

支給されない期間の分は、あとで返還を求められます。入所が決まった時点、入院が長引きそうな時点で届け出てください。

現況届を出し忘れる

毎年決まった時期に届きます。本人あての郵便を家族が確認できる形にしておいてください。支給が止まってから気づくことが多い。

診断書を医師に丸投げする

診察室では見えない部分が判定の中心です。家庭での介護の実際を書いたメモを添えるかどうかで、書かれる内容が変わります。

収入だけを見て諦める

所得は収入から控除を引いたあとの金額です。控除の内容で結果が変わります。窓口で確認してから判断してください。

よくある疑問

障害者手帳がなくても申請できますか。

手当の判定は所定の診断書に基づいて行われます。手帳の等級がそのまま要件になっているわけではありません。手帳を持っていない場合の取り扱いは自治体の窓口で確認してください。

障害年金や特別障害給付金と一緒に受け取れますか。

特別障害者手当は年金とは別の制度です。ただし、ほかの手当との関係や所得の見方については個別に確認が必要です。窓口で受給中のものをすべて伝えてください。

介護保険のサービスを使っていると受け取れませんか。

在宅でサービスを利用していることは、支給されない理由にはあたりません。支給されないのは施設入所と3か月を超える継続入院、そして所得超過の場合です。

ショートステイを使っている場合はどうなりますか。

短期入所は施設入所とは別の扱いです。五戸町は受給できなくなる施設に短期入所を含めていません。ただし日数や運用は自治体で確認してください。長期にわたる場合は事前に相談したほうが安全です。

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入っても受け取れますか。

受け取れるとしている自治体があります。大津市は支給されない施設から「グループホーム、住宅型有料老人ホーム又はサービス付き高齢者向け住宅等」を除くと明記し、五戸町も「グループホーム・有料老人ホーム・障がい者向けアパート」は施設入所とみなさないとしています。ただし介護付き有料老人ホームの扱いは案内によって書き方が違います。重要事項説明書に書かれた正式な種別を持って窓口で確認してください。

特別養護老人ホームに入ったらどうなりますか。

支給されません。障害者支援施設や特別養護老人ホーム等への入所は、支給されない場合として挙げられています。入所が決まった時点で届け出てください。届け出ずにいると、あとで返還を求められます。

介護老人保健施設(老健)はどうですか。

3か月を超えて入所すると支給されません。病院・診療所への入院と同じ数え方をする自治体があります。老健は在宅復帰を目指す施設なので、入所が長引きそうな段階で窓口に相談してください。

毎年出す書類がありますか。

あります。松山市は毎年8月中に「特別障害者手当所得状況届」を提出する必要があり、提出がないと8月分以降の手当が受けられなくなると案内しています。名称は自治体により「現況届」等と異なります。

いくら受け取れますか。

月額30,450円です(令和8年4月1日現在。足立区・大津市・松山市の公表内容)。年度ごとに改定されます。2月・5月・8月・11月に、それぞれ前の3か月分がまとめて振り込まれます。

同居している子どもの所得で止まりますか。

止まることがあります。見られるのは本人だけでなく配偶者・扶養義務者の所得で、大津市の公表内容では扶養親族0人の場合、本人3,758,000円に対し配偶者・扶養義務者は6,287,000円が限度額です。

申請から振り込みまでどのくらいかかりますか。

認定にかかる期間は自治体によって異なります。加えて、支給は2月・5月・8月・11月の年4回にまとめられるため、認定されてから最初の振り込みまで間が空くことがあります。

受け取ったお金の使いみちに制限はありますか。

制限はありません。介護保険で頼めない部分の費用にあてることもできます。

介護保険で頼めないことの記事一覧

このページが扱う範囲
本ページは制度の一般的な整理です。対象・金額・品目は市区町村ごとに異なり、年度ごとに改定されます。実際の申請にあたっては、お住まいの市区町村の窓口(障害福祉担当・高齢福祉担当)、または担当のケアマネジャー・相談支援専門員にご確認ください。税の取り扱いは税務署にご確認ください。

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

次に見ておくガイド