要介護4じゃなくても出ます。
世田谷区は要介護2から、年10万円
「要介護4以上」と書いてあるのを見て諦めた人へ。区によって基準が違います。世田谷区は要介護2(認知症高齢者の日常生活自立度2以上)から対象で、しかも福祉用具のレンタルと住宅改修を使っていても外れません。いっぽう新宿区・大阪市は要介護4・5だけで、除外されるのはショートステイ7日〜1週間程度のみ。そして八王子市は2026年3月31日でこの制度を廃止しました。「もらえるらしい」で1年間サービスを我慢する前に、下の表を見てください。年10万円は月8,333円です。
どんな制度か
介護保険の「地域支援事業」の一つとして、市区町村が独自に実施しているものです。国が全国一律で行っている制度ではありません。実施していない自治体もあります。
6自治体を並べた(各区市の公表内容)
| 自治体 | 支給額 | 対象の要介護度 | 所得の条件 | いまの状態 |
|---|---|---|---|---|
| 世田谷区 | 年額10万円 | 要介護2(認知症高齢者の日常生活自立度2以上に限る)または要介護3以上 | 区内に住所があり、住民税が非課税世帯 | 実施中 |
| 新宿区 | 年額10万円 | 要介護4または要介護5 | 高齢者・介護者とも住民税非課税世帯 | 実施中 |
| 大阪市 | 年額10万円 | 要介護4または5 | サービスを利用していない期間に、要介護者・介護者の世帯が市民税非課税 | 実施中 |
| あきる野市 | 100,000円 | 要介護4及び要介護5 | 世帯の構成員のすべてが、慰労金を支給する日の属する年度の前年度において住民税が非課税 | 実施中 |
| 守口市(大阪) | 年額10万円 | 要介護4から5 | 要介護者及び家族介護者が属する世帯の世帯員全員が非課税 | 実施中 |
| 八王子市 | — | 要介護5または4(当時) | — | 2026年3月31日で廃止 |
出典:各区市の公表ページ(世田谷区・新宿区・大阪市・八王子市は2026年9月22日、あきる野市・守口市は2026年9月23日確認)。金額は10万円で揃っていますが、対象の要介護度は要介護2から要介護4まで割れています。「要介護4じゃないから」で諦める前に、自分の区の基準を見てください。
世田谷区は要介護2(認知症高齢者の日常生活自立度2以上)から対象で、新宿区・大阪市は要介護4・5のみ。 同じ要介護3の人が、世田谷区なら申請でき、新宿区なら申請できません。
要件は4つとも厳しい
1つでも外れると出ません。そして4つとも、実際にはかなり厳しい条件です。
4つの要件と、実際のところ
① 要介護4または5が、1年以上続いていること
② 過去1年以上、介護保険サービスを使っていないこと
③ 世帯全員が住民税非課税であること
④ 長期入院をしていないこと
日野市はさらに、介護する側について「65歳以上で現在日野市内に居住している方」という条件を挙げています。自治体ごとに条件が追加されます。
なぜ要件がここまで厳しいのか
この制度は「介護保険サービスを使わなかったこと」に対する慰労という位置づけです。だから「使っていないこと」が要件になります。
ここに、この制度の性格が表れています。使えば出ない。使わなければ出る。年10万円は、1年間サービスを使わずに在宅で介護し続けたことへの、事後的なねぎらいです。
なぜ、ほとんど案内されないのか
介護事業者から見ると
ケアマネジャーから見ると
市区町村から見ると
介護している家族から見ると
年10万円は、月8,333円です
介護保険を使わずに人を呼ぶと、1時間あたり3,740円でした(当サイトが介護保険外サービスの公表料金を調べた中央値)。 つまり月8,333円は、ヘルパーを月2時間ちょっと頼んだら消えます。 それと引き換えに、1年365日、訪問介護もデイサービスも福祉用具のレンタルも使わないという条件です。
年10万円のために、1年間ひとりで抱えるのは、割に合いません。
10万円と、使わなかった場合に起きること
| 内容 | |
|---|---|
| 受け取れる額 | 年10万円(月あたり約8,300円) |
| 使わないこと | 訪問介護・デイサービス・福祉用具のレンタル・訪問看護など、すべて |
| 起きやすいこと | 介護する側の体調悪化、腰痛、睡眠不足、社会からの孤立 |
| 見えにくい損失 | 福祉用具を使わないことによる転倒・事故、状態の悪化、共倒れ |
支給額と負担が釣り合いません。すでに結果としてサービスを使っていない世帯が、あとから申請するための制度と考えてください。
もし「サービスを使っていないから該当しそうだ」という状況なら、それは慰労金より先に、なぜ使えていないのかを相談すべき状態です。費用が理由なら軽減の制度があり、本人が拒んでいるなら別の入り方があります。
例外として認められる利用
「まったく使っていない」が原則ですが、例外を設けている自治体があります。
介護保険サービスを申請日からさかのぼって過去1年以上利用していない(1週間以内のショートステイの利用は除く)
日野市は1週間以内のショートステイなら、利用していないものとして扱うとしています。この「除外される利用」の中身が、自治体で決定的に違いました。
「使っていない」の中身(4区市の公表内容)
| 自治体 | 除外される利用 | 福祉用具レンタル・住宅改修は |
|---|---|---|
| 世田谷区 | 年間10日以内のショートステイ、福祉用具貸与、特定福祉用具販売、住宅改修 | 使っていても対象 |
| 新宿区 | 年間1週間程度のショートステイ | 公表ページに除外の記載なし |
| 大阪市 | 1年間で7日間以内の短期入所。医療機関に入院した場合は、入院期間を除いて1年以上 | 公表ページに除外の記載なし |
| 日野市 | 1週間以内のショートステイ | 公表ページに除外の記載なし |
| あきる野市 | 年間1週間程度のショートステイ。かつ長期入院(おおむね3か月以上)をしていないこと | 公表ページに除外の記載なし |
| 守口市(大阪) | 通算して7日以内のショートステイ | 公表ページに除外の記載なし |
出典:各区市の公表ページ(世田谷区・新宿区・大阪市は2026年9月22日確認)。世田谷区だけは、手すりを付けていても、車いすを借りていても外れません。ここを知らずに諦めている人がいます。
だから最初に聞くのは「うちの市では、何を使ったら外れますか」です。「サービスを使っていないこと」とだけ書かれていても、除外の範囲は要綱に書かれています。
大阪市:「医療機関に入院した場合は、入院期間を除いて1年以上であること」(入院の分だけ時計を止める)
あきる野市:長期入院(おおむね3か月以上)をせずに在宅で過ごしていたこと。ただし「長期入院した場合にあっては、その前後を合算して1年以上介護保険サービスを受けなかったときを含む」(入院の前後を足して1年を数える)
世田谷区・新宿区・守口市:公表ページに入院の扱いの記載なし
入院をはさんだ人は、ここで結論がひっくり返ります。「1年に足りない」と自分で判断して申請をやめる前に、「入院した期間はどう数えますか」と一言聞いてください。
自分の市にあるかどうか
実施していない自治体もあります。そして、やめた自治体があります。
市の公表ページに「本事業は、令和8年(2026年)3月31日をもって廃止します。」と書かれています(2026年9月22日確認)。 八王子市の対象要件は「対象期間中、介護保険サービス(年間7日以内の短期入所の利用は除く)を利用していない」「要介護5または4の介護認定を受けており、介護保険のサービスを利用せずに要介護高齢者を介護している家族」でした。
つまり「家族介護慰労金 ○○市」で検索して、ページが残っていても、もう受け付けていないことがあります。 ページの日付と、廃止の記載を必ず見てください。1年間サービスを我慢してから「終わっていた」では取り返しがつきません。
窓口で聞くこと(この順で)
- 「家族介護慰労金という制度はありますか」(無ければ、似た名前の慰労金・見舞金があるか)
- 支給額と、要件(要介護度/サービス未利用の期間/世帯の課税状況/入院の扱い)
- ショートステイなど、例外として認められる利用と日数
- 介護する側の年齢・居住地の条件があるか
- 申請の時期と、必要な書類
探すときは、市区町村のサイト内で「慰労金」で検索するのが早いです。介護保険のページではなく、例規集(要綱)にだけ載っていることがあります。
該当しない場合に見るべき制度
ほとんどの方は該当しません。該当しないことは、悪いことではありません。サービスを使えているということです。そのうえで、負担を下げる制度は別にあります。
目的別に見る、ほかの制度
| 困っていること | 見るべき制度 |
|---|---|
| 介護保険の自己負担が月々重い | 高額介護サービス費(上限を超えた分が戻る) |
| 施設の居住費・食費が重い | 負担限度額認定(はじめから請求額が下がる) |
| 税金を下げたい | 障害者控除対象者認定書(手帳がなくても対象になり得る) |
| 在宅で常時の介護が必要 | 特別障害者手当(月額の現金給付) |
| おむつ・用具の費用 | 日常生活用具給付など3系統 |
| 住宅改修や用具購入の立て替えが苦しい | 受領委任払い(先に払う額が1〜3割で済む) |
慰労金の年10万円より、これらのほうが金額として大きくなることがあります。
慰労金は年に1度。介護は365日あります
サービスを使っていない理由が「合う形が見つからない」なら、介護保険の外で必要な時間だけ頼む方法もあります。まず相談だけでもできます。
- 相談・見積もりは無料です
- 介護保険では対応できない内容にも対応しています
- 24時間365日の相談体制があります
よくある疑問
要介護度が足りないと言われました。
いくらもらえますか。
要介護3ですが対象になりますか。
福祉用具のレンタルだけ使っています。対象になりますか。
ショートステイを使いました。
同居の家族に収入があります。
入院していた期間があります。
この制度をもらうために、サービスを止めたほうがよいですか。
市のホームページに載っていません。
さかのぼって申請できますか。
該当しませんでした。ほかに使える制度はありますか。
→ 保険で頼めない4分類/月の上限を超えた分が戻る制度/手帳がなくても使える所得控除/先に払う額を10分の1にする払い方/障害福祉サービスの負担上限と「世帯」の範囲/離れて暮らす親の見守り
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- 障害者控除対象者認定書
- 高額介護サービス費
- 受領委任払い
- 障害福祉の負担上限月額
- 高額医療・高額介護合算療養費
- 重度障害者医療費助成
- 自動車税の減免
- 住宅改修が必要な理由書
- 住宅改修の事前申請
- 住宅改修20万円の枠
- 借家の住宅改修と承諾書
- 福祉用具の貸与と販売の選択制
- 見積もりと業者の選び方
- 申請の期限(2年)
- 福祉用具購入費の受領委任払い
- 高額療養費の受領委任払い
- 介護保険の住所地特例
- 介護保険の適用除外施設
- 認定調査で見られること
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- 施設の食費・居住費を下げる
- 負担割合証の見方
- 保険料を滞納したとき
- 保険者と引っ越し
- 2年で消える権利
本ページは制度の一般的な整理です。対象・金額・品目は市区町村ごとに異なり、年度ごとに改定されます。実際の申請にあたっては、お住まいの市区町村の窓口(障害福祉担当・高齢福祉担当)、または担当のケアマネジャー・相談支援専門員にご確認ください。税の取り扱いは税務署にご確認ください。
一次情報の確認先
このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。