2026年9月25日確認 介護保険法 第200条

放置した1か月ごとに、
1か月分が消えます

介護保険には「申請すれば戻ってくるお金」がいくつもあります。そしてそのすべてに、2年という期限がかかっています。誰も教えてくれません。そして2年は、まとめて切れるのではなく、1か月ずつ後ろから消えていきます。

2年行使できる時から
毎月1か月分ずつ消える
0円電話にかかる費用
このページの内容
  1. 2年の条文
  2. 毎月ずつ消えるという意味
  3. 放置するといくら消えるか
  4. 何が消えるのか
  5. いつから数えるか
  6. 親が亡くなったあと
  7. 期限が迫ったら止められる
  8. いま30分でできること
  9. よくある疑問

2年の条文

「保険料、納付金その他この法律の規定による徴収金を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によって消滅する」
介護保険法 第200条第1項(e-Gov法令検索で2026年9月25日に確認)

「還付を受ける権利」と「保険給付を受ける権利」。この2つが、行使することができる時から2年で消えます。

毎月ずつ消えるという意味

ここを誤解している人が多いところです。「2年後にまとめて消える」のではありません。権利は月ごとに発生するので、時効も月ごとに来ます。

高額介護サービス費を未申請のまま放置した場合

いつの分いまの状態
25か月前の分もう消えています
24か月前の分今月が最後です
23か月前〜先月の分まだ生きています
来月になると24か月前の分が消え、23か月前の分が最後になります

月ごとに発生する給付は、月ごとに2年を数えます。1か月放置すると、いちばん古い1か月分が落ちます。

放置するといくら消えるか

金額にすると分かりやすくなります。高額介護サービス費で毎月5,000円が戻る状態の人が、一度も申請していなかった場合です。

月5,000円が戻る人が未申請だった場合

金額
24か月分(満額)120,000円
1か月放置すると消える額5,000円
3か月放置すると消える額15,000円
6か月放置すると消える額30,000円

戻る額は所得区分と利用額で変わります。ここで言いたいのは、放置している月数がそのまま金額になるということです。あなたの場合の月額は、市区町村の担当課に聞けば分かります。

「そのうち調べよう」と思っている間に、毎月消えています。電話は無料で、3分で終わります。

何が消えるのか

2年の期限がかかるもの

もの心当たりの探し方
高額介護サービス費一度も申請していない人は、1円も戻っていません。初回だけ申請すれば以後は自動という運用の市町村が多数ですが、その初回をしていない人がいます → 負担の上限
住宅改修費(償還払いの分)工事の領収書を探してください。20万円の工事なら9割で18万円。申請していなければ、それが消えます → 住宅改修の20万円
福祉用具購入費入浴・排泄用の用具を自費で買っていませんか → 福祉用具の購入費
高額医療・高額介護合算療養費医療と介護の両方を使っている年は対象になり得ます → 合算の仕組み
保険料を払いすぎた分の還付亡くなった月以降に引かれた保険料、年金天引きと口座振替の二重払い。家族が気づかないと消えます

どれも「申請しないと出ない」仕組みです。市町村から「まだ申請していませんよ」と教えてもらえるとは限りません。

いつから数えるか

条文は「これらを行使することができる時から」としています。支払った日ではなく、権利を行使できるようになった時が起点です。

起点が分かりにくいもの

住宅改修の工事をした

いつから申請できたのかを市区町村に確認してください。領収書と工事完了日を持って窓口に行けば、その場で判断されます。ここで日付を断定はしません。

高額介護サービス費

対象となる月ごとに権利が発生します。2年より前の月は消えている可能性があります。まず何か月分が生きているかを聞いてください。

親が亡くなったあとに気づいた

相続人が請求できる場合があります。下の項目を見てください。

親が亡くなったあと

ここがいちばん取りこぼしが多いところです。亡くなった直後は葬儀と手続きに追われ、介護保険の未申請分まで気が回りません。そして気づいたときには2年が近づいています。

四十九日が過ぎたら、この5つを担当課に聞く

おくやみの手続きをまとめて案内する窓口を置いている市区町村があります。そこで「介護保険の未申請分」まで聞いてください。言わなければ案内されません。

期限が迫ったら止められる

書類がそろわないまま期限が来そうなとき、使える条文があります。

「前項の審査請求は、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求とみなす」
介護保険法 第183条第2項(e-Gov法令検索で2026年9月25日に確認)

「時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求とみなす」。審査請求を出しておけば、その間に時効で権利が消えることを止められます。これを知らずに、期限切れで諦めてしまう人がいます。

どの場面で使えるかは個別の事情によります。まず市区町村の担当課に「時効が近いがどうすればよいか」と相談し、それでも処分に納得できないときに審査請求、という順序です。→ 審査請求の使い方

いま30分でできること

電話1本の手順

  1. ① 被保険者証を手元に置く被保険者番号を聞かれます。
  2. ② 市区町村の介護保険担当課にかける「未申請の給付がないか確認したい」と言えば通じます。
  3. ③ 上の5つを順番に聞く1つずつ聞いてください。「何かありますか」だと「特にないです」で終わります。
  4. ④ 生きている月数をメモする「あと何か月分が申請できますか」。ここが期限です。
  5. ⑤ その場で申請書を送ってもらう「今日のうちに郵送してください」と頼んでください。取りに行く日を決めている間に1か月経ちます。

2年を過ぎた分は戻りません。ですが、いま生きている分は戻ります。今日かけるか来月かけるかで、金額が変わります。

よくある疑問

2年を過ぎたものは本当に戻りませんか。

条文は「時効によって消滅する」と書いています。ただし起点の判断があるので、自分で諦めずに窓口で確認してください。

督促が来ている保険料は、2年で消えますか。

消えません。第200条第2項は「督促は、時効の更新の効力を生ずる」と定めています。放置しても消えません。→ 滞納したとき

親が亡くなりました。誰が請求しますか。

相続人が請求できる場合があります。必要書類を担当課で確認してください。

医療費の高額療養費も2年ですか。

別の法律の仕組みです。このページは介護保険法の時効について書いています。医療保険の窓口に別に確認してください。

市町村から連絡は来ませんか。

来るとは限りません。申請主義の制度です。気づいた人だけが受け取れます。

高額介護サービス費は一度申請すれば以後自動ですか。

そういう運用の市町村が多数ですが、最初の1回をしていなければ1円も来ていません。まずそこを確認してください。

確認に使った一次情報

2026年9月25日に e-Gov法令検索で確認した条文です。条文で全国共通なのは、手続きの骨と期限までです。金額・様式・窓口の運用は市区町村ごとに違います。

介護保険で頼めないことの記事一覧

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

次に見ておくガイド