本ページはアフィリエイト広告を利用しています。制度の記載は厚生労働省と市区町村の公表資料で確かめ、確かめた日を各所に書いています。

20万円の枠がリセットされる条件

リセットは「転居」と「3段階」の2つだけです。そして3段階のほうは、要介護度が3つ上がってもリセットされないことがあります。要支援1から要介護2へ上がった場合、要介護度は3つ上がりますが、住宅改修で数える「介護の必要の程度」の段階は2つしか上がっていません。ここを取り違えると、20万円の工事が全額自己負担になります。

このページの内容
  1. リセットされる2つの条件
  2. 転居リセット
  3. 3段階リセットの数え方
  4. 3段階でもリセットされない4つの場合
  5. 20万円という額の意味
  6. 分けて使えるか
  7. わざと残す考え方
  8. そもそも対象になる工事
  9. 確認の順序
  10. 確認に使った一次情報
  11. よくある疑問

リセットされる2つの条件

20万円を使い切ったあとでも、枠が改めて使えるようになる場合が2つあります。現場では「転居リセット」「3段階リセット」と呼ばれています。根拠は平成12年3月8日 老企第42号「居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について」です。

転居した場合には改めて支給限度基準額までの住宅改修費の支給を受けることが可能となる

介護の必要の程度の段階が3段階以上上がった場合……改めて支給限度基準額(20万円)までの住宅改修費の支給を受けることが可能

尼崎市のQ&Aも、同じことを利用者向けの言葉で書いています。

申請者の転居や要介護度が3段階以上重くなった場合は、再度、住宅改修20万円の利用が可能となります

この通知には、3段階のほうについて「なお、この取扱いは1回に限られる」と書かれています。使えるのは生涯に1度だけです。

転居リセット

住宅改修費は住宅に対して付いています。だから、住む家が変われば改めて枠が使えます。前の家で20万円を使い切っていても、引っ越した先で新しく20万円分の工事ができます。

ここで確かめておくことが3つあります。

転居でつまずくところ

同じ建物の中で部屋を移った場合

扱いは市区町村の判断によります。建物が同じなら転居に当たらないとされることがあります。動く前に窓口で確認してください。

市区町村をまたいで引っ越した場合

保険者が変わります。転入先の市区町村に、住宅改修の記録がどう引き継がれるかを確認してください。

引っ越し先が借家の場合

所有者の承諾書が必要です。契約の前に、工事の可否を大家さん・管理会社に確認しておくと安全です。

借りている家の場合の進め方は借りている家で工事するときにまとめました。

袖ケ浦市は、転居リセットについてもう一段の注意を公表しています。「転居前の住宅に再び転居した場合は転居前住宅に係る支給状況が復活します」。一度出て戻ってくると、前の家で使った分が生き返るということです。入院や施設入所をはさんで元の家に戻る場合は、ここを窓口で確認してください。

3段階リセットの数え方

もう1つが、介護の必要の程度が3段階以上上がった場合です。要介護度そのものではなく、住宅改修で使う「介護の必要の程度の段階」という区分で数えます。

介護の必要の程度の段階(住宅改修で使う区分)

段階要支援・要介護の区分
第1段階要支援1(経過的要介護を含む)
第2段階要支援2・要介護1
第3段階要介護2
第4段階要介護3
第5段階要介護4
第6段階要介護5

最初に住宅改修費を使ったときの段階を基準にして、そこから3段階以上上がったかどうかで判定します。判定の基準日と数え方は市区町村に確認してください。

注意したいのは、基準になるのは「最初に住宅改修費を使ったときの段階」だという点です。認定を受けたときの段階でも、いまの段階でもありません。数え間違えやすいところなので、窓口で「基準になるのはいつの段階ですか」と確認してください。

3段階でもリセットされない4つの場合

「3段階上がったからリセットされる」と思って工事を始め、あとから対象外と分かる事故が起きます。袖ケ浦市は「三段階リセットの例外」としてこれを整理して公表しています。次の4つに当てはまると、リセットされません。

リセットされない場合

#どういう場合か何が起きるか
①要介護度は3つ上がったが、「介護の必要の程度」の段階は2つしか上がっていない対象外。20万円は使えない
②段階は3つ以上上がったが、その時点で住宅改修をしなかった後から遡って使うことはできない
③すでに3段階リセットを1回使っている2回目はない(老企第42号「1回に限られる」)
④転居先からもとの家に戻ったもとの家の支給状況が復活する

袖ケ浦市「住宅改修の支給可能算定額の例外」の公表内容によります。

いちばん多いのが①です。具体的に見ます。

要支援1から上がったとき、段階はいくつ上がるか

上がった先要介護度としては「介護の必要の程度」の段階リセット
要介護13つ上(要支援1→要支援2→要介護1)第1段階→第2段階=1つされない
要介護24つ上第1段階→第3段階=2つされない
要介護35つ上第1段階→第4段階=3つされる

要支援2と要介護1は、同じ第2段階です。ここで1つぶんが消えるため、要介護度の見た目より段階の上がり方は小さくなります。

袖ケ浦市はこの点をはっきり書いています。

要支援1から要介護2となった場合、要介護等状態区分は3段階上がるものの、「介護の必要の程度」の段階は2段階しか上がっておらず、3段階リセットの例外は適用されません

②も見落とされます。段階が上がった時点で工事をしなければ、その権利は使われないまま残るのではなく、その機会が過ぎます。「いずれやろう」と先送りして、さらに介護度が上がってから申請しても、基準になるのは最初に支給を受けたときの段階のままです。

工事の前に、窓口でこの3つを聞いてください。
1.「最初に住宅改修費を使ったときの段階は、第何段階でしたか」
2.「いまの段階は第何段階で、差は何段階ですか」
3.「3段階リセットは、これまでに使っていませんか」
この3つの答えが出るまで、契約書にサインしないでください。対象外だった場合、20万円は全額自己負担になります。

20万円という額の意味

厚生労働省の資料は、住宅改修の支給限度基準額をこう書いています。

生涯20万円(要支援、要介護区分にかかわらず定額)

読み取れることが2つあります。

1つ目。要介護度が上がっても額は増えません。要支援1でも要介護5でも20万円です。訪問介護などの区分支給限度基準額とは考え方が違います。

2つ目。20万円は工事費の上限であって、受け取る額ではありません。20万円の工事をした場合、保険から出るのはその9割(負担割合により8割・7割)です。手元から出る額は自己負担割合によって変わります。

20万円をどう読むか(自己負担1割の場合の考え方)

工事費保険から出る分自己負担
10万円9万円1万円
20万円18万円2万円
30万円18万円(20万円分まで)12万円(超えた10万円は全額)

自己負担割合は所得によって1割・2割・3割に分かれます。ご自身の割合は介護保険負担割合証で確認できます。

分けて使えるか

分けて使えます。20万円は「1回で使い切る券」ではなく、累計で20万円に達するまで使える枠です。

たとえば最初に玄関の手すりで8万円を使った場合、残りは12万円です。半年後に浴室の段差解消で10万円の工事をすれば、そのぶんも支給の対象になります。ただし、そのつど事前申請が必要です。一度申請したから次も自動で通る、ということはありません。

分けて使うときの流れ

  1. 1回目を事前に申請する理由書と見積書をそろえて、工事の前に申請します。
  2. 工事をして、完了の報告をするここまでで使った額が、保険者の記録に残ります。
  3. 2回目も、もう一度事前に申請する1回目の申請があるから自動で通る、ということはありません。理由書と見積書をあらためてそろえます。
  4. 残りの枠の範囲で支給される20万円から使った額を引いた分までが対象です。超えた分は全額自己負担になります。

わざと残す考え方

ここまでを踏まえると、最初の工事で20万円を使い切らないという考え方が出てきます。

体の状態は変わります。いま必要なのは玄関の手すりでも、1年後にはトイレや浴室が問題になるかもしれません。最初に「せっかくだから全部やりましょう」と勧められて枠を使い切ると、次に本当に必要になったときに使えません。

残しておく判断が効く場面

枠は減らしても戻りません。いま必要な分だけ使うのが基本の姿勢です。

退院直後で、これから体の状態が変わりそうなとき

リハビリで歩行が改善することも、進行することもあります。当面の安全に絞って、残りを取っておく判断があります。

業者が浴室から玄関まで一括で提案してきたとき

全部が今すぐ必要かを、ケアマネジャーと一緒に見直してください。優先順位は本人の動線で決まります。

6種類に当たらない工事も見積もりに入っているとき

対象外の工事は枠を使いません。ただし全額自己負担です。どこまでが保険の対象かを分けて見積もってもらってください。

そもそも対象になる工事

介護保険で対象になる住宅改修(厚生労働省の資料にある6種類)

種類(原文)実際に頼まれることの例
(1)手すりの取付け廊下・階段・浴室・トイレ・玄関
(2)段差の解消敷居を下げる、スロープを固定する、浴室の床をかさ上げする
(3)滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更畳を板に、浴室の床を滑りにくい材料に替える
(4)引き戸等への扉の取替え開き戸を引き戸に、ドアノブをレバーに替える
(5)洋式便器等への便器の取替え和式を洋式にする
(6)その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修手すりを付けるための下地補強、床を変えるための給排水工事

出典:厚生労働省「福祉用具・住宅改修の概要」。名称は原文のまま。この6つに当たらない工事は、介護のためであっても保険の対象になりません。

確認の順序

20万円をむだにしないための確認

20万円は生涯で1回きり。使い切ったあとをどうするか

手すりを付けても、入浴や移動に人の手が要る場面は残ります。保険で足りない部分だけを必要な分だけ頼む方法があります。相談・見積もりは無料です。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。面談・相談は無料。広告(PR)を含みます。

→ 先に出すお金を10分の1にする払い方/理由書は誰が書くのか/工事のあとに気づいたとき/20万円は何回に分けられるか/借りている家で工事するとき/借りるか買うかを選ぶ/保険で頼めないこと一覧

確認に使った一次情報

よくある疑問

20万円は1人あたりですか、1世帯あたりですか。

被保険者ごとです。同じ家に対象の方が2人いる場合、それぞれに枠があります。ただし同じ工事を二重に申請することはできません。

使い切っていない残りに期限はありますか。

住宅改修費の枠に有効期限は設けられていません。ただし制度は改定されることがあります。

3段階上がった判定は、自動で教えてもらえますか。

自動での案内は期待できません。認定結果が変わったときに、自分で窓口に確認してください。

転居のたびに何度でも使えますか。

転居によって改めて支給限度基準額まで使えるとされています。回数の上限の扱いは市区町村に確認してください。

施設に入所したら使えますか。

住宅改修費は自宅に住んでいる方が対象です。入所中の施設の工事は対象になりません。

20万円を超える工事はできませんか。

工事自体はできます。超えた部分が全額自己負担になるだけです。見積書で、20万円までの部分と超える部分を分けてもらってください。

介護保険で頼めないことの記事一覧

このページが扱う範囲
本ページは介護保険の住宅改修についての一般的な整理です。申請の様式・期限・受領委任払いの有無は市区町村ごとに異なります。実際の手続きは、担当のケアマネジャーと、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口にご確認ください。

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

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