本ページはアフィリエイト広告を利用しています。制度の記載は厚生労働省と市区町村の公表資料で確かめ、確かめた日を各所に書いています。

通院の付き添いを頼む

院内の付き添いは「原則、算定対象にならない」とされています。ただし国の通知は、3つの条件をすべて満たす場合を除いています。断られたときに確かめるのは、この3条件のどれが欠けているのかです。判断しているのは事業所ではなく、市区町村です。

このページの内容
  1. どこまでが保険で、どこからが自費か
  2. 院内介助が認められる3つの条件
  3. 1回いくらか(97単位と387単位)
  4. 市区町村で判断が分かれる理由
  5. ケアマネに聞く順番
  6. 保険で出ない部分を自費で埋める
  7. 依頼するときの準備

どこまでが保険で、どこからが自費か

「通院の付き添い」は1つのサービスではありません。区間ごとに扱いが違います。ここを分けずに相談すると「できません」で終わります。

区間介護保険の扱い
自宅での準備(着替え・持ち物)身体介護として算定できる
玄関から車への乗車介助通院等乗降介助の対象
車での移動そのもの運賃は保険外(実費)
車から降りて院内へ入るまで通院等乗降介助の対象
受付・待ち時間・院内の移動原則は算定対象外。3条件を満たすと身体介護
診察室への同席同上(市区町村の判断による)
会計・薬の受け取り同上

断られるのは、ほとんどが5行目以降です。「通院介助はできません」と言われたとき、乗り降りまで含めて全部が無理なのか、院内だけが無理なのかを、まず切り分けてください。

もうひとつ、ケアプランに位置づけられていない外出は対象外です。急な受診に対応してもらえないのはこのためです。

院内介助が認められる3つの条件

院内介助の扱いは、老計第10号(平成12年3月17日)「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」、老企第36号(平成12年3月1日)、平成15年5月30日 厚生労働省老健局老人保健課事務連絡「介護報酬に関わるQ&Aについて」を根拠に整理されています。和歌山市はこれらをもとに、算定できる条件を次の3つとして公表しています。

#条件
①適切なケアマネジメントを行っていること。本人の身体・精神の状態や置かれている環境等の評価をし、主治医等の意見を踏まえ、サービス担当者会議で協議するなど必要性について十分に検討できていること
②院内スタッフ等による対応が難しいこと
③利用者が介助を必要とする心身の状態であること

③の「心身の状態」として挙げられているのは次の4つです。

状態
院内の移動に介助が必要な場合
認知症その他のため、見守りが必要な場合
排せつ介助を必要とする場合
視覚障害や聴覚障害等何らかの障害があり介助が必要な場合

この4つのどれかに当てはまるなら、③は満たしています。残るのは①と②です。①はケアマネジャーの仕事で、②は病院に確認すれば答えが出ます。「院内は無理です」で終わらせず、この2つがどうなっているかを聞いてください。

認められた場合の算定区分は、乗降介助ではなく身体介護中心型として扱われます(和歌山市のマニュアルの整理)。

1回いくらか(97単位と387単位)

令和6年度の介護給付費単位数(訪問介護費)は次のとおりです。

区分単位数
通院等乗降介助1回につき 97単位
身体介護 20分未満163単位
身体介護 20分以上30分未満244単位
身体介護 30分以上1時間未満387単位
身体介護 1時間以上567単位(30分を増すごとに+82単位)

1単位を10円とする地域(地域区分によって単価は変わります)で、自己負担1割なら次の見当になります。

頼む内容1割負担の目安
行きの乗降だけ約97円
行き帰りの乗降約194円
院内介助が認められて1時間弱約387円

つまり院内が認められるかどうかで、数百円の差にしかなりません。それでも通らないことがあるのは、金額の問題ではなく、①のケアマネジメントと②の病院側の体制が整理されていないからです。逆に言えば、そこを整理すれば通る可能性が残っています。

認められなかった区間は、保険が使えない=全額自費です。差が大きいのは保険の中ではなく、保険から外れたときです。

市区町村で判断が分かれる理由

川口市は、国の考え方を次のように書いています。院内の移動等の介助について、国は原則算定対象とならないとの考えを示しつつ、「保険者判断で場合により算定対象となる」としているが、どういう場合に算定対象となるかは示していない、と。

だから、判断は市区町村(保険者)に降りてきます。実際、次のように独自の文書を出している自治体があります。

自治体公表しているもの
和歌山市ケアマネジメント支援マニュアル「訪問介護における院内介助について」(3条件を明示)
川口市訪問介護サービスにおける「院内介助」に対する介護給付費算定の取り扱いについて
船橋市訪問介護による院内介助の取扱いについて(病院内での介助についてのガイドライン)
名古屋市訪問介護における院内介助の取扱いについて ほか、通院・外出介助のQ&A

自分の市の扱いを見るには、「(市区町村名) 院内介助 取扱い」または「(市区町村名) 通院介助 訪問介護」で検索してください。介護保険課のページにPDFが置かれていることが多いです。出てこない場合は、市区町村の介護保険課に電話して「院内介助の取扱いを示した文書はありますか」と聞くのが早いです。事業所ではなく保険者に聞くのが筋です。

このページで参照した一次情報
・厚生労働省「令和6年4月改定箇所 指定居宅サービス介護給付費単位数の算定構造」(PDF)
・和歌山市「ケアマネジメント支援マニュアル 訪問介護における院内介助について」(PDF)
・川口市「訪問介護サービスにおける『院内介助』に対する介護給付費算定の取り扱いについて」(PDF)
・船橋市「訪問介護による院内介助の取扱いについて」(市公式)
・名古屋市「訪問介護における『通院・外出介助』について」(市公式)
単位数は令和6年度の算定構造によります。1単位あたりの単価は地域区分で変わるため、金額は1単位10円として計算した目安です。

ケアマネに聞く順番

「院内も付き添ってほしい」と言うと「できません」で終わります。順番を変えてください。

1. 「院内介助の3条件のうち、うちはどれが欠けていますか」
2. 「②の院内スタッフの対応が難しいことは、病院に確認しましたか」
3. 「③の状態は(移動介助/見守り/排せつ/障害)に当てはまると思いますが、評価はどうなっていますか」
4. 「サービス担当者会議で協議すれば①は満たせますか」
5. 「この市の取扱いを示した文書はありますか」

この5つを順に聞けば、「制度で無理」なのか「手続きをしていないだけ」なのかが分かれます。後者なら、まだ保険で取れます。

そのうえで、診察室への同席や、医師の説明を家族に伝えてもらうことは、多くの自治体で保険の対象外のままです。ここは最初から自費で組んだほうが早いです。

保険で出ない部分を自費で埋める

ケアマネジャーに5つを聞いたうえで、「ここは保険では出ない」とはっきりした区間だけを自費にします。全部を自費にする必要はありません。

残りやすい区間自費で頼む内容
待ち時間付き添い、トイレ介助、体調の変化を見る
診察室同席して、医師の説明を記録する
説明の共有遠方の家族へ、その日のうちに報告する
急な受診ケアプランに入っていない日の対応

特に「医師の説明を聞いて家族に伝えてもらえる」点は、遠方に住む家族にとって実務的な価値が大きい部分です。帰省1回分の交通費と有給を、ここに置き換えられるかどうかで考えてください。

依頼先を比べるときに見るのは5つです。①院内の同席まで含むか。②毎回同じ人が来るか。③当日・翌日の依頼に対応できるか。④診察内容を家族へ報告する仕組みがあるか。⑤介護福祉士など有資格者が対応するか。

保険で出ない区間だけ、先に値段を聞いておく

通院日だけの単発でも見積もりが出ます。相談は無料で、依頼の義務もありません。金額を知っておくと、ケアマネジャーとの相談も具体的になります。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。面談・相談は無料。広告(PR)を含みます。

依頼するときの準備

伝えておくとスムーズなのは次の5点です。

・受診する診療科と、通院の目的
・本人の身体状況(歩行、車椅子の要否、認知症の有無)
・持病と服薬の状況
・当日の所要時間の見込み
・家族に何を報告してほしいか

同じ時間帯に保険サービスと自費サービスを重ねることはできません。時間を分けて組む必要がありますので、ケアマネジャーにも共有しておいてください。

介護保険で頼めないことの記事一覧

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

次に見ておくガイド