本ページはアフィリエイト広告を利用しています。制度の記載は厚生労働省と市区町村の公表資料で確かめ、確かめた日を各所に書いています。

工事が終わってから気づいた。それでも聞くべき窓口がある

介護保険の住宅改修は、工事をする前に市区町村へ申請するのが原則です。ところが実際には、手すりを付けてもらってから「あれ、保険が使えたのでは」と気づく人がいます。ここでは、なぜ事前なのか、事後になったときに何が起きるのか、どこまでなら間に合うのかを、制度の側から整理します。

このページの内容
  1. 原則は工事の前
  2. なぜ事前でなければならないのか
  3. 工事のあとに気づいた場合
  4. まだ間に合うことがある場面
  5. 一部だけでも残っていれば
  6. 工事のあいだ使えなくなるもの
  7. 次の工事のために残しておくこと
  8. 確認の順序
  9. 自治体でここまで違う
  10. 確認に使った一次情報
  11. よくある疑問

原則は工事の前

公益財団法人 長寿科学振興財団の健康長寿ネットは、手続きをこう書いています。

改修工事の前に市町村の窓口に申請をする必要があります。

申請に必要なものは、おおむね次のとおりです。そろえるのに時間がかかるのは理由書と見積書で、どちらも他人に頼む書類です。ここが日程の要になります。

工事の前に出すもの(一般的な構成)

書類誰が用意するかつまずきやすいところ
支給申請書本人・家族様式は市区町村ごとに違う
住宅改修が必要な理由書ケアマネジャー等の専門職担当がいないと止まる
工事見積書工事業者対象部分と対象外部分が分かれて書かれているか
改修前の写真工事業者・家族工事後には撮れない。ここが事後で一番困る
承諾書住宅の所有者借りている家の場合に必要

必要書類は市区町村ごとに異なります。窓口で一覧をもらってください。

なぜ事前でなければならないのか

「工事は済んでいるのだから、領収書を見せれば同じでは」と思いたくなります。ところが制度の側から見ると、事前と事後では確かめられることが違います。

事前と事後で、確かめられることが変わる

確かめる中身工事の前なら工事のあとだと
工事の前の状態写真と現地で分かるもう見られない
その工事が本人に必要か理由書で説明できる済んだ工事に合わせた説明になる
6種類に当たるか見積書の段階で直せる直せない。対象外なら全額自己負担
金額が妥当か他の見積もりと比べられる比べる相手がいない

事前申請は手続きの形式ではなく、「その工事が必要だったか」を確かめられる状態を残すためのものです。

とくに改修前の写真は、工事が終わってしまうと二度と撮れません。ここが事後でもっとも詰まるところです。

工事のあとに気づいた場合

まず正直に書きます。事前の申請をしていない工事について、あとから支給を受けられるかどうかは、市区町村の判断です。国の通知には「工事の前に申請する」という原則が示されており、事後の取り扱いをどこまで認めるかは保険者が決めています。ここを一律に「出ます」「出ません」と言うことはできません。

そのうえで、あきらめる前にやることが2つあります。

工事のあとに気づいたときの2つ

  1. 窓口に、事実をそのまま伝えて相談する「工事が終わってしまったが、支給の対象になるか」と聞きます。隠して申請するより、先に相談するほうが結果が良くなります。
  2. 今ある材料を集める工事の契約書、見積書、領収書、そして工事業者が撮った施工前の写真。業者は工事記録として撮っていることが多く、頼めば出てきます。

2つ目は見落とされがちです。自分では撮っていなくても、業者が撮っていることがあります。まず業者に「工事前の写真は残っていますか」と聞いてください。

まだ間に合うことがある場面

「もう工事した」と思っている状態でも、制度の上ではまだ間に合っていることがあります。

間に合う可能性がある状態

「もう遅い」と思ったときほど、どこまで進んでいるかを正確に数えると道が残っていることがあります。

見積もりをもらって、口約束をしただけ

契約書に署名していない、着工していないなら、まだ工事の前です。ここで止めて申請に回してください。

契約はしたが、着工していない

工事日が先なら、その前に申請できる可能性があります。業者に工事日を後ろにずらしてもらえないか相談してください。

一部だけ終わっていて、続きがある

終わった部分と、これからの部分を分けます。これからの部分は事前申請ができます。

応急で付けた手すりを、本工事に替える予定がある

本工事のほうを事前申請の対象にできます。

一部だけでも残っていれば

住宅改修は、玄関・廊下・浴室・トイレというように場所ごとに分かれます。全部を一度にやる必要はありません。先に手すりだけ自費で付けてしまった場合でも、これから行う段差の解消は事前申請の対象にできます。

この考え方は、支給限度基準額を使い切っていない場合に効きます。20万円のうち使った分だけが減る仕組みなので、残りをこれからの工事に回せます。詳しくは20万円は何回に分けられるかにまとめました。

次の工事のために残しておくこと

事後になってしまった工事は、まだ結果が分かりません。ただしこの先の工事は、いまから間に合います。次にやる可能性のある場所を先に決めて、その場所の「いまの写真」を撮っておいてください。数か月後に工事の話が出たとき、この1枚があるかないかで手続きの速さが変わります。

写真は、その場所の全体が分かる引きの1枚と、困っている箇所の寄りの1枚を撮ります。日付が分かる形で保存してください。スマートフォンで撮れば日付は自動で残ります。

確認の順序

いま撮って、いま保存しておくもの

申請をやり直すと、工事はさらに先になります

申請から工事までは日数がかかります。その間の入浴介助や移動の付き添いを、必要な分だけ頼む方法があります。相談・見積もりは無料です。

掲載内容は各社公式サイトの公表値です。面談・相談は無料。広告(PR)を含みます。

→ 先に出すお金を10分の1にする払い方/理由書は誰が書くのか/工事のあとに気づいたとき/20万円は何回に分けられるか/借りている家で工事するとき/借りるか買うかを選ぶ/保険で頼めないこと一覧

工事のあいだ、台所と浴室が使えなくなる

見落とされやすいのが工事期間中の生活です。浴室の床をかさ上げする、和式を洋式に替える、床材を張り替える。どれもその部屋が数日使えなくなります。

とくに問題になるのが台所です。給排水の工事が入ると、水が止まる時間帯があります。調理ができない日が何日あるかを、工事業者に先に聞いてください。「1日で終わります」と言われても、養生と乾燥の時間が別に要ることがあります。

工事の場所ごとに、その間できなくなること

工事する場所使えなくなるもの先に決めておくこと
浴室(床のかさ上げ・手すり)入浴何日か。その間の入浴をどうするか(デイサービス・訪問入浴)
トイレ(洋式への取替え)トイレここは代わりが利かない。仮設の有無を必ず確認
台所まわりの床・段差調理・水道調理できない日の食事をどうするか
廊下・玄関の床材その動線の通行本人が通れる別の経路があるか

工事の見積もりを取る段階で、「何日、どこが使えなくなりますか」と聞いてください。この質問に具体的に答えられる業者は、段取りができています。

調理ができない日は、冷凍で届く食事をあらかじめ用意しておくと、家族の負担が増えません。工事の日程が決まった時点で手配しておくのが確実です。

今回の分が出なくても、20万円の枠は減っていません。
事前申請が無かったために出なかったのは「その工事の費用」だけです。支給限度基準額20万円は、1円も使われていません。次の工事のとき、枠はそのまま残っています。
そして手すりは、工事をしなくても付けられます。床に置くだけの据置型手すりは福祉用具貸与(レンタル)の対象で、住宅改修とは別の枠です。事前申請も工事も要らないので、今回のような取りこぼしが起きません。
→ 福祉用具は借りるか買うか/20万円の枠はリセットされるか/申請の期限は領収日の翌日から2年

同じ制度なのに、自治体でここまで違う

2026年9月11日に6自治体の公表内容を実測しました。手続きの入口そのものが、市区町村によって違います。

実測した6自治体の違い(2026年9月11日確認)

自治体公表されている内容
町田市「町田市では住宅改修が必要な理由書の作成及び事前申請書類の提出をケアマネジャーまたは高齢者支援センター職員からのみ受け付けております。」=本人・家族が窓口に持っていっても受け付けられない
江東区「被保険者が工事内容を区へ申請し、事前申請確認書の発行後、工事着工できます」「事前申請確認書の発行前に工事を行った場合は支給対象外」
北区同じ趣旨の制度を「代理受領方式」と呼ぶ。「住宅改修代理受領登録事業所」と「特定福祉用具代理受領登録事業所」の一覧を別々に公表
墨田区「平成29年6月1日以降に住宅改修費受領委任払い申請ができるのは、事前に墨田区に登録した改修事業者のみです」。ただし「償還払いによる申請については、事業者の登録は不要」
板橋区「保険料の滞納により…支払方法変更の記載を受けている方」「入院・入所中、認定申請中(認定区分変更中を含む)、転居前」は受領委任払いを使えない
横浜市必要書類に「明細入力票3」という独自の様式がある。「工事施工前の写真」「完成予定状態がわかるもの」も必要

出典:町田市・江東区・北区・墨田区・板橋区・横浜市の公表内容(2026年9月11日確認)。申請の方法・必要書類・受領委任払いの可否と呼び名は、市区町村ごとに異なります。

ここから言えるのは「自分の市区町村のページを見ないと分からない」ということです。他の自治体の手引きをそのまま持っていくと、入口で止まります。

確認に使った一次情報

よくある疑問

申請から工事まで、どのくらいかかりますか。

書類がそろってからの審査期間は市区町村によって異なります。理由書と見積書をそろえる時間も含めて、余裕を持って動いてください。急ぐ事情がある場合は、窓口にその旨を伝えて相談してください。

工事業者が「申請は代行します」と言っています。任せてよいですか。

代行に慣れた業者もありますが、申請の名義は本人です。提出された内容を自分でも確認してください。とくに、いつ申請していつ着工するかの日付は必ず見てください。

緊急で手すりが必要でした。事情は考慮されますか。

退院日が迫っているなど、やむを得ない事情の扱いは市区町村によって異なります。事情を窓口に伝えて相談してください。

領収書は誰の名前にすればよいですか。

支給を受ける本人(被保険者)の名前が原則です。家族の名前になっていると、確認を求められることがあります。

自費で工事した分は、あとから20万円の枠に影響しますか。

支給の対象にならなかった工事は、支給額としては使われていません。枠の扱いは市区町村に確認してください。

事後でも認められた例を聞きました。うちも大丈夫ですか。

他の市区町村の例は、そのままお住まいの市区町村には当てはまりません。保険者ごとに判断が異なります。必ずご自身の窓口で確認してください。

介護保険で頼めないことの記事一覧

このページが扱う範囲
本ページは介護保険の住宅改修についての一般的な整理です。申請の様式・期限・受領委任払いの有無は市区町村ごとに異なります。実際の手続きは、担当のケアマネジャーと、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口にご確認ください。

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

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